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コレクション: 養蚕の書

蚕養育手鑑 - 翻刻

蚕養育手鑑 - ページ 22

ページ: 22

翻刻

【右帖】 ては手桑切きらさる程の分限と成ける誠に此人もとは親 孝行の【農=の】志にて蚕に心を尽しける其勲功積て天へ 通し恩報の福なるやとて諸人是を感しける其人 近き頃おはりて今は子息の代なり子息も大躰の人に あらす慥成る念者也此人高崎にての町宿は田町の 西かわに有手前絹売に一度に五六十疋宛持参するは 此人はかり也尤金銀大分持たる人は多く有へけれ共蚕 にかやうに念者は上野【こうづけ、群馬の旧国名】には稀也ちかく人は此人をも見るに 付ても蚕に心をつくすへし遠くの人は是を聞に付ても 何とそ養蚕の理を得徳すへし 【左帖】    第五はきおろしの事 歌に 〽はきおろし桑のめあつく毛蚕(けこ)うすく其夜のしみをいとへきわとく 同 〽青みたる種をはしみにあはするないきれをかねて疾(とく)つかむへし 同 〽蚕にはつゐゑを徳のもとゝする桑おしむなよ隙おしむなよ 種色替て後青むら【青むと】見へはゆだんすへからす其時寒風甚 くはたとひ青みきらすとも一枚ツヽ二つ折りにしてあたら しきしやうきか大こりのたくいに紙を敷種沢山ならは二 枚かさねにもならへ置紙にて覆ひ其上を衣類を以包み 置へし五枚以下の種ならは紙の上を衣類にて直に包ても くるしからす種多く重て直に衣類につゝめは蚕出へき 前いきれるもの也自然いきれたる時ははき立てのゆ じゆなし此故に器物に入てつゝむもの也但箱