翻刻
【右帖】
あたへへし若霖雨ならは一ツ休見へし時蚕うらを
めい〳〵細に切かわかすへし是湿にあたらさる用心也
此休にうき取事有此うきは竹花と云て花のことく
押付ちりうせるもの也只々休前をうすくして桑
四度もせめあたへ何とそ一日一夜に休付様にして起ると
即時に桑付へし若早速起かねは半分起の時分見合て
中桑うすくあたへへし其後おきさるかいことほ〳〵有内に
早々桑付へし惣しておきはだ〳〵に口かくす事大
きに悪し蚕せいつゝまるもの也自然休のうち寒風甚
しくは夜は紙帳の内に寝て昼夜炭の火を起すへし
休みたる内少もしみにあたれは舟にも滞又休て起たり
とても桑にしみす庭前減るもの也惣してしゝ前
より竹迠の補やら紙帳にも限らす寒き時は二
【左帖】
階へ上て下にて火焼暖なる時は卸(おろし)て棚へあけ置
風をいとひ湿気を除時はしそんする事あらし此外様〳〵
に多くの術(てたて)有といへとも書記にいとまあらす
哥に
風湿寒さ暑さをただいとへてたては己かこゝろ〳〵に
此桑付迠やわらか成桑をゑらひ桑付るとすき間なく
押付〳〵三度程はせめくわせて早く桑にしみさせへし
惣して切桑内ぬれ桑少もあたへへからす
第八舟休の事 附 暑気を凌たる物語
哥
〽舟休み風湿のそけ桑せめよ暑気に火たくなはつせ戸しやうじ
竹より起て二日程過迠は蚕うちを立てわけへし是より