翻刻
【右丁】
聚歛(シユレン)【注】の功見聞儀を以蚕の情をためし是非
得失の理を済(スマ)したる人おほしといへとも世に
教をなすへき時節未_レ有_レ之か我此理を漸に得
るといへとも本より愚暗の身なれば人〳〵信用し
かたし唯子孫にしらしめんため他の嘲(アサケリ)をも不
_レ恥書記_レ之一帖として号蚕養育手鑑文字
の誤文のつたなき事は我文盲の身なれはな
りたとひ此書を常に不_二読覚_一とも蚕の出る
時節には取出し時々尅々に見て書のことくする
【左丁】
時は仕損する事あらし一夜の内にも陽気変
化有事に心を付へし惣して養蚕の失は心つ
きなく油断より起る也
○蚕養育手鑑目録
第一 序論の事
第二 蚕種調置様の事
第三 蚕可出まへ煤掃の事《割書:附》禁物
第四 蚕の道具《割書:附》蚕にて富貴に成たる物語
第五 獅々はきおろしの事
【「聚歛」は「聚斂」ヵ】