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コレクション: 養蚕の書

蚕養育手鑑 - 翻刻

蚕養育手鑑 - ページ 31

ページ: 31

翻刻

【右帖】 繁昌して纔(はすか)六七十軒有村へ隣村の桑五百駄程 買こむ近村の人々云るは是程皆切ほす中に他村の 桑大分買こむはよく〳〵の仕合也とて皆人是をうらやみけり 誠に是は合壁の人々心を付て其人の養育の術 をまなびそれより村中へいひつたへ皆〳〵養育の理を 心得たる故の徳也  第九庭休の事  哥に   〽庭休み風湿のそけうすくせよ桑をたやさで暑気におとろけ 舟ゟ起て二日めには早く蚕うらを立てわけ出すへし此時にも 永雨ふりてさむくは右舟のことく焼火をすへし桑は前かたに はやし置ほこりせさる所にませをゆひそれへ立かけて 露を落すへし又大分いきれる時は家の内にて火をたかて【火を焚かで】 【左帖】 桑をたやさすあたへへしおもいきれ甚敷は戸障子をはつして 風を入へし扨又休は四度ともにうすきかよしといへとも 就_レ 中庭の休はそろへ仕舞なる故各別うすくするも也 頗(すこふる)蚕には大小あり大図中を取ていふ時には壱尺四寸之内 百四拾疋より百五十疋くらい迠休めて中分と見へたり 前度竹舟の休には数多き故寸方かすを出しても養人 かすとめかたし大図是にて斗知べし舟のあつ蚕六折かへしと言 竹十と言り是を斗合て見る時は古よりしゞ竹まで随分 うすく養来れり又庭の休格別うすくする事六十年 以前念者の初めたる事也扨又此休にも北風強く吹て寒 する事有蚕生長したるとて油断すへからす北をとちふさき 焼火をして家内を暖にすへし休前には辺間の風 をもいとひ桑四度も五度もせめくわせ今少とゆふ時