翻刻
【右帖】
には桑をあら切て夜桑をもあたへ一旦に休めへし桑をとめ
て一食程間を置おき蚕一疋もなき内にうきを間引
おきると早速見合てはやし立の桑にて桑付へし若休に
くるい有て一日一夜程にて休つかすは桑をつけて取外のかこ
にて休ませへし長く休みてはひきりそろわす殊に早く起たる蚕
【注1】桑付置故暑気にあたりて損すること多し【ここまで】又休前長
雨ふりて南風入は風除をたて火をつよく焼家内を
暖にして一旦に休めへし一ツ休の時と休付ての後両度な
から右舟休のことく篠にて風を入湿を除へし扨又桑
つけて二喰三喰ははやし立の桑を以押付〳〵せめくわせ
早々桑にしみさせへし是より桑多く切込もき重ぬ
る故にことの外桑いきれる事有其桑必蚕にあたへ
【左帖】
へからす蚕性悪く成もの也勿論かれ桑もめ桑に露を
そそきていかし置たるをあたゆれは蚕せいつゝまりて
三割四割の損たつもの也是をよくよく合点して桑
に念をつかふへし
第十上り前の事 附 暑気を団扇にてあをきたる物語
哥に
〽上り前桑くれ置せ度ことに手こゝりあれはひきりそろわす
庭より起て二日程にならは蚕うらを立てわけへし右
おしへのことくうすく休めなは二籠を三籠つゝにすへし
是より桑たやす事なかれ若永雨ふらは桑は前々
はやし置たはこのうるほひすゝほこりなとのなき
所に立置露を落してあたへへし此時も南風を
【注1:別の資料では以下の文章になっている「口かれ過て蚕ぜいつゞまるもの也若(もし)」https://www1.library.pref.gunma.jp/winj/archive/jpeg/1100232471/023.jpg】