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コレクション: 養蚕の書

蚕養育手鑑 - 翻刻

蚕養育手鑑 - ページ 36

ページ: 36

翻刻

【右帖】 まふしとやとひに念を入る時は繭作る場所おほく有 て早速作る故にまゆ大きく衣あつく形もすく れて能もの也大并のやとひを見るにまふしも 大手にそさうに打立てひろけもせすにやとふ也 然る時はまゆ作る場所すくなくて尋まわる内に せい分尽て繭ちいさく衣うすく重作りにつく る故はまゆも多く形悪し又まふしひろから さる所へ蚕の小便多くかゝり萱しめりていきれ まゆ多しかき取て見る時には石取思の外不足 なるもの也それのみならすまゆにて売は下直なり 糸にすれはたゝさるまゆ多しもとより衣うすき 【左帖】 まゆなれは糸目も格別不足にて大分なる損と 見へたり又念者の念に念を入詰めてうすやらひに したる繭と格別無念者のそさう【粗相】したるまゆをく らふれは一倍余も違也又同し様に養なして も家とひの段にて三割五割の違は有もの也此損 徳をしるへきには念者の養おろしたる上まゆ 壱升の蚕の数と又無念者の養おろしたる 下まゆ壱升の蚕の数をとめて蚕の多少上繭 下まゆ損得を壱升の内にて能々ためし我 養へき分料へかけて其損徳を知べし然時は 損徳の證拠しれ念を入やすきもの也