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コレクション: 養蚕の書

蚕養育手鑑 - 翻刻

蚕養育手鑑 - ページ 5

ページ: 5

翻刻

【右丁】 給ふ所なり蚕四度の休は仏に有則常楽我清【=浄】天に 有則は元亨利貞人に有則仁義礼智身にとりては地水火風 の四大也又養人に対しては生住異威【滅】の理を志らせ三世を顕す 名虫也三世と者種は過去也蚕は現在繭は未来の果也過去 のあしき蚕は必現在悪し過去のよき蚕は現在にて養育 たゝしくする時は未来にてはそれ〳〵に随て恩報の果を 作る又現在にて養育ただしからすして蚕に諸の病出る 時は果を作る事思ひもよらず終に滅する也養人是を慎み 蚕の一生は全人間一代の行也正に仏菩薩は蚕と生を現じ させ給ひてし儒仏神の三道を教させ給ふは誠に有かたき 次第也人として是をしらすんば有へからすかほと尊虫を 【左丁】 おろそかにする時は養(かい)はつすのみならす却て天の御にく しみあらんや又富貴なる人は事しけきゆへに蚕に疎(をろそか)なる も尤也然といへとも道にあたらすたとひ金銀にはふそくなしと も道を思い儀を慮(をもんはかり)て是を養ふにおゐては随分に心を 尽し初より終迄念を入つめ十分に仕おふする時は徳用のみ にあらす仏菩薩の御憐も深からん養人常に午の日を 祝ひ蚕神を敬ふへし蚕のためとて外の仏神を祈らん よりは我家にて慎て蚕神を敬奉る時は諸天善神あら ゆる仏菩薩も其内にそなはらせ給ふ也  歌に   千早振神に非礼を慎みて誠を祈れ四方の人々