翻刻
【右丁】
おほく有てさのみ手をあけるの事あらしあてる時には
余慶人には各別(かくへつ)すぐれへし是養育の理を
知る徳【理の誤写】を知る徳也
太子旧事本紀言蚕をはき初るには吉日えらひ戌亥の
方に蚕神のたなをゆひ桑の枝二本結付 繭餅(けんひん)をそ
なへ神酒を捧(さゝけ)て祭り心よくはき初へし其後も四度
の休ことに桑の葉に繭餅をのせて蚕神へ捧祝へし
と《割書:云| 々》扨又午の日を祝事三国共に馬と蚕は同性
なりと云り天竺獅々国にては蚕あたれは馬死□【は】
つるれは馬是を悦ふと云り然る則獅子国の馬
【左丁】
の心をなだめんための祭りかと見へたり扨また
蚕の養育と者たといゝ耕作にひとしきもの□【也】
耕作は田畑に生する故にあまたの天災にあふ
蚕は家内に生するゆへ諸の天災を凌所謂耕
作は天陽を請る故にこいを仕かくれはうるをひ
を以てそたつ蚕は家内に居して日影を請さる故
桑をしかくれはあたたかなるを以そたつ是は惣体の
理也其本乱て未治事あらしと云る古語万里へ通る
殊に蚕は有情の中にても春夏秋冬を身に行
たゝしき情を備へたる名虫也然といへ共其情を
のつとりて諸の補を以情を養時は仕そん
【虫損部は群馬県立図書館の別資料を参照しました】