翻刻
【右丁】
之【注①】とはもち米とこむきの粉と合せ油にてあけたるものなり又集解
に牽索紐捻(けんさくちうねん)《振り仮名:成_二環釧之形_一|かんせんのかたちをなし》油煎(あふらにてにて)《振り仮名:食_レ之|これをくろふ》とはほそくひねりのはし
て小き輪(わ)の如くなしあふらにてあけたるもの也集解 劉禹錫(りううしやく)寒具(かんくの)
詩云(しにいふ)《振り仮名:成_二玉数尋_一|きよくすうしんをなす》とは長くして箸(はし)の如くにして油(あふら)にてあけたるもの也
大和本草 午蒡餅(こほうもち)又本朝食鑑 牛房餅(こほうもち)《振り仮名:用_二牛房根_一|こほうのね【を脱ヵ】もつて》煮熟(にしゆく)
細砕(こまかにして)《振り仮名:合_二蒸糯_一|むしたるたにあはせ》搗(ついて)作餅(もちとなす)【作_レ餅ヵ】而 《振り仮名:煎_二麻油_一|あふらにてにて》乾用(かはかしもゆ)【「もゆ」は「もちゆ」ヵ】とこれに似たり田舎(いなか)に
小麦粉(こむきのこ)をねり長さ三寸方三分許りにして油にてあけたるものあり又
切片(せつへん)にしたるもあり
蒸餅(しようへい) パン《割書:長|崎》 あんなしまんちう 饅頭餅(まんちうへい)《割書:附|方》
小麦麺(こむきこ)を溲(ひたし)て餅(もち)となし蒸(む)すものなり法 集解(しうかい)にもあり大和本
【左丁】
草に麺(めん)にて作る甘酒(あまさけ)にて製す形(かたち)饅頭(まんちう)の如にして大(おふい)にして餡(あん)なし長崎
に作る中華人(ちうくはひと)【注②】殊(ことに)山西人(さんせいのひと)朝夕(てうせき)の糧(かて)とすと云り紅毛人(をらんたしん)は氷(こふり)をろしポー
トル等をかけて平日(へいしつ)の食(しよく)とす本邦(ほんほう)にては餡(あん)を入る〱物をまんちふ
といふ本草彙言(ほんさういけん)に蒸餅(むしもち)俗名(そくめう)饅頭(まんちう)と云 薬用(やくやう)には餡(あん)なきを
用ゆ集解(しうかい)に果菜(くはさい)油膩(ゆし)諸物(しよふつ)《振り仮名:為_レ餡者|あんになすもの》《振り仮名:不_レ堪_レ入_レ薬|くすりにいるゝにたへす》といへり
女麹(ちよきく) こむきのかうし
集解に完小麦(まつたくこむき)とあれはまるむきにて黄色(きいろ)の花を付(つけ)け【「け」重複ヵ】たるもの
なり
黄蒸(わうしやう) こむきのこのかうし
蘇恭(そけう)の説は小麦(こむき)を粉(こ)となし水(みつ)に和し餅(もち)となし麻(あさ)の葉にて包(つゝみ)
【注① コマ46文末~「食之」は「食_レ之」ヵ。国立公文書館デジタルアーカイブでは「食_レ之」(『本草図譜巻之43・44』コマ43 https://www.digital.archives.go.jp/img/4676183)。】
【注② ルビ「ちうくはひと」は「ちうくはのひと」ヵ。国立公文書館デジタルアーカイブ(注①と同)では「の」有。】