翻刻
【右丁】
宋奭(さうせき)糯(たを)《振り仮名:為_レ 上|しや【う】となす》稷(しゆくを)《振り仮名:為_レ 中|ちうとなし》粟(そくを)《振り仮名:為_レ 下|けとなす》今(いま)《振り仮名:入_二薬佐_一|くすりのたすけにいる》《振り仮名:便_三専用_二糯米_一|もつはらたへいをもちいしゆ》《振り仮名:以_二|せい》
《振り仮名:清水白麺麹_一|すいはくめんきくをもつて》《振り仮名:所_レ造|つくるところを》《振り仮名:為_レ正|しやうとなす》といへり
糟底酒(さうていし[ゆ脱])
田村氏云 東医宝鑑(とういほうかん)に未(いた[ま]た)笮(こき[さヵ])さる酒なりとす
老酒(ろうしゆ) くねん酒(さけ)の類なり
春酒(しゆんしゆ) はる造(つく)る酒なり
社壇余胙酒(しやたんよろしゆ)【注①】 神前(しんせん)に備(そなへ)たる酒なり
糟筍節中酒(さうしゆんせつちうしゆ) 糟漬(かすつけ)の筍(たけのこ)の節(ふし)の中の酒 筍中酒(しゆんちうしゆ)《割書:筍|譜》
東陽酒(とうやうしゆ) 西土(から)の東陽(とうやう)と云所よりいつる酒なり
愈瘧酒(いゆきやくしゆ) 造法(さうほう)集解に詳(つまひらか)なり
【左丁】
屠蘇酒(とそしゆ)
本邦正月元旦に飲之(これをのむ)漢土(かんと)又同し其法 赤朮(せきしゆつ)《割書:蒼朮にて|和名をけら》桂心(けいしん)《割書:肉桂|なり》
《割書:各五匁|五分》防風(ほうふう)《割書:十匁漢種|の防風》《振り仮名:■葜|はつかつ》【注②】《割書:五匁さるとりはらにて|和のさんきらいなり》蜀椒(しよくしやう)《割書:朝倉さん|しよ》桔梗(きゝやう)《割書:通|名》
大黄(たいはい)【注③】《割書:各五匁七分|舶来を用へし》烏頭(うつ)《割書:かふきさく此者方中にあれとも毒あるゆへ|あたる者多けれは必さつて用ゆへからす》赤小豆(せきせうつ)《割書:十四粒|あつき》
以上八味三角の袋(ふくろ)に入れ除夜(ちよや)井の底(そこ)にかけ元旦にとりあけて
好酒(こうしゆ)に入 煎(せんし)て東(ひかし)に向ひ小児より始(はしま)り老人(ろうしん)に飲終(のみおは)り薬袋(くすりふくろ)共に
井に入れ其井の水(みつ)を飲(のめ)は病(やまい)なしと云り本朝食鑑の屠蘇(とそ)の法これ
に同し尚(なほ)医家(いか)によつて異(こと)なるあるへし
逡巡酒(しゆん〳〵しゆ) 造法(さうほう)集解に詳なり
五加皮酒(こかひしゆ) うこきの皮の煎汁にて造たる酒也
【注① 「胙」のルビ「ろ」は「そ」ヵ。国立公文書館デジタルアーカイブでは「さ」(『本草図譜巻之43・44』コマ49 https://www.digital.archives.go.jp/img/4676183)。】
【注② ■は「艹+祓」。「菝」ヵ。国立公文書館デジタルアーカイブ(注①と同)では「艹+禾+攵」。】
【注③ 「大黄」のルビ四字目「い」は「は」にも見える。「たいくは」ヵ。】