翻刻
【右丁】
羊羔酒(やうかうしゆ) ひつしの肉の煮汁にて造りし酒也
膃肭臍酒(おつとせいしゆ)《割書:通|名》 膃肭臍(おつとせい)を浸せし酒也
焼酒(せうしゆ) しやうちう
和漢(わかん)製法(せいほう)大抵(たいてい)同し糟(かす)をらんひきにて蒸(む)して滴露(てきろ)を取る
田村氏云く焼酎(せうちう)は下品なり焼酎(せうちう)を焼返(やきかへ)し取たる露(つゆ)をあわ
もりと云 薩州(さつしう)にて作る火(ひ)の酒ともいふ中品なり又あわもりを焼(やう[きヵ])
返(かへ)し取りたる露(つゆ)を阿剌吉(あらき)といふ上品なり紅毛(をらんた)にて作(つく)り持渡(もちわた[る脱ヵ])と
いへり
葡萄酒(ふとうしゆ)
本朝食鑑に《振り仮名:用_二蒲【葡ヵ】萄能熟紫者_一|ふとうのよくしゆくしむらさきのもつて》去皮(かはをさり)【「去_レ皮」ヵ】強(しいて)《振り仮名:濾_二滓与皮【一点脱】|かすとかはとをしほり》《振り仮名:合_二【-脱】盛|しきに》
【左丁】
《振り仮名:磁器_一|あはせもりて》《振り仮名:置_二静処_一|しつかなるところにおき》一宿(いつしゆく)明日(めうにち)再瀘(ふたゝひしほり)《振り仮名:取_レ汁|しるをとり》両日(れうしつの)濃汁(こきしるに)一升(いつせうを)炭火(すみひに)
煎(せんし)二沸許(にふつはかり)《振り仮名:放_レ 地|ちにおきて》《振り仮名:待_レ冷|ひゆるをまつて》次(つきに)《振り仮名:入_二 三年諸白酒一升氷糖末百|さんねんのもろはくしゆいつせうとこふりさとうのまつひやくせんを》
《振り仮名:銭_一|いれ》拌匀(かきませて)《振り仮名:収_二蔵于陶甕中_一|つほのうちにおさめ》《振り仮名:封_レ口|くちをほふし》《振り仮名:経_二 十五日余_一|しうこにちをへて》而 成(なる)《振り仮名:経_二 一両|いちれうねんを》
《振り仮名:年_一|へたる》亦(また)尚佳(なをよし)《振り仮名:経_レ年|としをへふれは》則(すな▢[わヵはヵ]ち)濃紫(こむらさき)《振り仮名:如_二蜜色_一|みつのいろのことし》味(あし▢[わヵはヵ]ひ)《振り仮名:似_二阿蘭陀知牟多_一|をらんたのちんたににたり》世(よ)
以(もつて)《振り仮名:珍_二【-脱】賞之_一|これをちんしやうす》大抵(たいてい)此(この)造酒葡萄者(さけにつくるふとうは)《振り仮名:以_二蘡薁|ゑいいくをもつて》【一点脱】《割書:くろふ|とう》《振り仮名:為_レ勝|まされりとす》即(すなは)ち
山葡萄(やまふとう)也(なり)俗(そくに)《振り仮名:称_二黒葡萄_一|くろふとうとせうす》亦(また)佳(よし)といへり
糟 かす《割書:和名|鈔》
本朝食鑑に大抵(たいてい)其色(そのいろ)暗黄淡白者(うすきしろきものは)古酒糟(こしゆのかす)也(なり)純白微(しろきすこし)
黄者(きなるもの)諸白糟(もろはくかす)也 灰白濃香者(はいいろちやいろのもの)新酒糟(しんしゆかす)也といへり田村氏
かすに二種あり一種は瀝乾(かはかし)するもの俗(そく)に下(くた)り滓(かす)と称(せう)して
【十六行下から六字目「余」のルビ無ヵ】