翻刻
【右丁】
には大臣か此度のけしやうには
つくしのこくしをとらするそ
いそひてまかりくたれとあり
大臣殿は九国にすまん物うさに
したい申されけれとも国の守の
ためなれはざいこく【在国】せては叶まし
とかさねて勅使立けれはちから
をよはすみたい所を引くして
いそきつくしに下り豊後のこう
に京を立さなから都にをとら
すすまゐ給ふ又都にはくきやう
せんきまち〳〵たりむくりか大将
は四人ときこゆるをせめて一人討
【左丁】
取てこそ軍にかちたるしるしは
有へけれけういは二さうの物なれは
何とか思ふて引つらん心のうちも
さとりかたし先かうらい国へ打
わたり七百六十六国をせめした
かへ其大せいをそつしはくさい国
をせめなひけ【なびけ=服従させる】其後むこくをせめん
事なんの子細の有へきとせん
きしてつくしへせいをそこされける
大臣殿も吉日をえらひ御出と
こそ聞えけれ新さうの大船百
よそうえだ船は数しらす其
外うら〳〵のれう舟かたせ舟