翻刻
【右丁】
通のものなれはうつてのむく
とおほしたりおなしちかふよせ
ては叶まししほさかひへうち
いてふせいて見むとせんきし
て四まんそうのふねともにおほ
くのむくりをとりのりたう【唐】と
にほんのしほさかひちくら【筑羅】か
おき【韓(から)と日本の潮堺にあたる海。また、どちらつかずのたとえ】にちんを取大臣の御座
舟をもちくらかおきへをし
いたすかれもおそれてちかつ
かすたかひにおそれてよりも
せす五十よちやうをへたてつゝ
三とせのはるをそをくられける
【左丁】
むくりか大将りやうさう一陣に
すゝみ出天をひゝかす大音にて
我らか軍の手たてには霧をふら
するならひあり霧ふらせよと
けちすれは承ると申てきりん
国の大将舟のへいた【舳板】につつたち
あかつてあさきいきをつくいか
なるしゆつをかかまへけん霧と
成てそふりにけるはしめはうすく
ふりけるか次第〳〵にあつく成て
月とも日共見も分すこくう【虚空=大空・空中】は
ちやうや【長夜】のことくにて一日二日
にてはれもせて百日百夜そふりに