翻刻
【右丁】
有しにかはる御姿をいかてか
見しり申へきされともなさけ
ふかきふうふにてありむさん
とやせおとろへたるかきやと
てかさねてふち【扶持】をそくはへ【加え】ける
ある夜のねさめにおうちか
むは【乳母】にかたりけるは扨もせんそ
の君ゆりわか大臣殿む国へ
討手に御向有て其まヽ又も
御帰朝なき間其思ひのみふかふ
してそゝろに年もよるそかし
さてもみたい所はこうのちやう
屋にましますよなむは此よしを
【左丁】
聞よりもされはこそとよその
事よ別符殿のみたい所に心
をかけさせ給ひ御玉つさ【たより】のあり
しかともさらになひかせ給はねは
むねんしこくに思召此二三日さき
ほとにまんなうか池にふしつけ
申けると聞是に付てもうき
命つれなく久になからへかゝる
事をも聞やとてせきあへす
こそなきにけれ大臣殿は物こし【人づて】
にて聞召あらなにともなの事
ともや今迄命のおしかりつるも
君にやあふとおもふゆへ今は命