翻刻
【右丁】
大臣殿は聞召仰にて候ほとに
一矢いたくは候へとも引へき弓
か候はす別符聞てやさしく
申物かなつよき弓の所望か
又よはき弓の所望か同はつ
よきゆみの所望にて候やすき
間の事とてつくしにきこゆる
つよ弓を十ちやうそろへて
参らせ上る二三ちやうはりをし
かさねはら〳〵と引おつていつ
れも弓かよはくして事を
かいたと仰けれは別符これを
見てきやつはくせものかなその
【左丁】
儀にて有ならは大臣殿のあ
そはしたるかねの弓をいさせ
よ尤しかるへしとてうさ八幡
の御宝殿にあかめをくかねの
弓矢を申おろし大臣殿に
奉るいつしかもとより【以前から、もともと】御たらし【貴人のもつ弓】
かゝりの松にをしあてゝゆらり
とはつてすびきしてかねの御
てうつ【ちょうず(調度)=貴人のもつ矢】をうちつがひ的には御目
をかけ給はすくはんらく【観楽】して居
たりける別符のしんに目をかけ
て大音あけて仰けるはいかにや
九国のさいちやうら我を誰と