翻刻
【右】
いまもつて疫瘡疹(ゑきさうしん)流行(りうかう)の時には是を家にはりて
この禍(わさはひ)さくると異国人伝来(ゐこくしんでんらい)のよし仍(よつ)て
むかしより西国にてはこの符によりて瘡疹を
まぬがれあるひはかろくするとかの人よりつたへし
まゝをこゝにしるす
麻疹(はしか)年数(ねんすう)大概(たいがい)
○日本書記には敏達(びだつ)天皇四十年乙巳此/症(やまい)はじめ
て日本に流行(りうかう)し上百官(かみひやくくはん)より下万民にいたるまで
【左】
死亡(しほう)するものおほかりしとなり或書(あるしよ)に痘瘡(ほうそう)は
聖武天皇(しやうむてんわう)天平七年にはじめて流行(りうかう)し麻疹(はしか)は
同九年はじめてはやる其後/桓武帝(くはんむてい)延暦(ゑんりやく)
九年五十四年ぶりにして流行(りうかう)し延暦より
長徳(てうとく)四年迄二百十九年にしてはやりまた長
徳より文明三年まで四百七十四年めに流行す
延暦長徳の間(あいだ)また長徳文明の間ともに年数/長(てう)
遠(ゑん)なればさだめて其中に麻疹はやりしことも