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コレクション: コレクション2

麻疹養生伝 - 翻刻

麻疹養生伝 - ページ 16

ページ: 16

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【右】 養生(ようじやう)を専要(せんよう)とすれば難(なん)なくして全(まつた)かるべしさきに 享和(けうわ)三亥年/麻疹(はしか)のはやりしとき予 旅中(りよちう) にありて東海道(とうかいどう)箱根(はこね)を通りしに乞食(こつじき)の 子の麻疹(はしか)に悩(なやみ)たるが道路(どうろ)に菰筵(こもむしろ)をかふり打ふし ゐたる側(そば)に其 姉(あね)と見ゆるが是も麻疹をせしと 見え形痩(かたちやせ)ていまだ肥立(ひだち)間もなき体(てい)なれども 元気(げんき)よく何事をかわらひ戯(たはふ)れて遊びゐたる見 へたりまた雲助(くもすけ)どもの中にも麻疹のあとありて 【左】 やうやく肥立(ひだち)にかゝりしと見へしも駕(かご)をかき荷物(にもつ) を負(おひ)などしていきほひよく酒肴(さけさかな)思ひのまゝに 飲食(いんしよく)する体(てい)なりかゝる身にして其病の中にも 風寒(ふうかん)を凌(しの)ぐ儲(まうけ)もあるまじく食物(しよくもつ)もさだめし 空腹(くうふく)の時は禁忌(きんき)をもゑらむましきにこゝろよく 肥立せしと見れば何事なく仕果(しおほ)せしと見え たり世俗(せそく)には疱瘡(ほうそう)を美目定(みめさだ)めといひ麻疹(はしか)は 命(いのち)さだめ【注】なりといへどもかく野人(やじん)の無難(ふなん)なるは実(まこと) 【注 「命定め」=生きるか死ぬかを決定すること、またその要因。特に近世、幼児にとっての疱瘡、麻疹(はしか)などをいう。】