翻刻
【右】
○肥(ひ)だちかゝりて腹(はら)たつことかなしむことすべて気(き)をつかふ
ことあしゝ只人と雑談(そふだん)をなし草紙(さうし)などよみて退屈(たいくつ)
せざるがよしまた湯(ゆ)をつかふこと髪(かみ)月代(さかやき)をすること
大事(たいじ)なり廿日ほども過(すぎ)なばざつと洗足(せんそく)し髪(かみ)はこれも
ざつとたばねておきそれより四五日も過て沐浴(ゆあみ)髪(かみ)
さかやきしてよし
○房事(ぼうじ)は殊(こと)につゝしむべしあやまつときは命(いのち)にもおよ
ぶなれば二 ̄タ月ほどはたしなみてよし
【左】
○麻疹(はしか)服薬(ふくやく)之事/医書(いしよ)にあまた出たれども大体(たいてい)俗家(ぞくか)
には升麻葛根湯(しやうまかつこんとう)を用ひ來るよしなれども此前/享(けう)
和(わ)三亥年/流行(りうかう)のときは葛根湯あわず荊防敗(けいほうはい)
毒散(どくさん)に少し時の加減(かげん)をし用ひたりしよし
或(ある)老人(らうじん)のかたりたりし心得(こゝろへ)べきことなり
○麻疹まじなひの事/三豆湯(さんづとう)或は馬屋(むまや)の盥(たらゐ)をかぶれ
ばきはめて麻疹かろしなど其外さま〴〵流布(るふ)す
といへども先年/長崎(ながさき)の人より書付(かきつけ)越したる奇妙(きめう)