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コレクション: 学校教材発掘プロジェクト 5 江戸名所図会

江戸名所図会 20巻 巻之13 - 翻刻

江戸名所図会 20巻 巻之13 - ページ 40

ページ: 40

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【右丁】  資信(すけのぶ)といへる人《割書:資信(すけのぶ)何人(なにひと)なる事 知(しる)るべからず按(あんする)に東鑑(あづまかゞみ)建久(けんきう)六年乙卯三月十日乙未|将軍家(しやうぐんけ)東大寺(とうだいじ)供養(くやう)に逢(あは)しめん為(ため)に南都(なんと)東南院(とうなんゐん)に着御(ちやくぎよ)供奉(ぐぶ)》  《割書:の人(ひと)の中(うち)に那珂(なか)中左衛門尉(ちゆうさゑもんのせう)又 同(おなじく)建長(けんちやう)二年庚戌|三月一日 閑院(かんゐん)殿 造営(ざうえい)|雑掌(ざつしやう)の人の中に那珂(なか)左衛門(さゑもん)入道(にふだう)などゝ云名五人を挙(あげ)たり中(なか)は那珂(なか)の誤(あやまり)ならん欤(か)》没落(ぼつらく)の後(のち)  入道(にふだう)して行阿(ぎやうあ)と号(がう)す資親(すけちか)中氏(なかうぢ)の祭祀(さいし)絶(たえ)ん事(こと)を悲(かなし)み其子(そのこ)  某(それがし)を修験(しゆげん)の僧(そう)に託(たく)し号(なつけ)て如道(によたう)と云 則(すなはち)当寺(たうじ)に住(ぢゆう)せしむ此時(このとき)より  当寺(たうじ)は修験(しゆげん)の法流(はふりう)となれりと云《割書:其先(そのせん)は真言(しんごん)の|古刹(こさつ)なりと云》しかりしより遙(はるか)の  後(のち)天正(てんしやう)以来(いらい)四海(しかい)承平(しやうへい)の時(とき)に至(いた)り 御当家(ごたうけ)より観音(くわんおん)面田の地(ち)を  賜(たまはり)大禅門(だいぜんもん)と号(がう)す応永(おうえい)六年 癸卯(みずのとのう)卒(そつ)す《割書:此地(このち)より二 里(り)はかりを|隔(へだ)てゝ古谷上(ふるやしやう)郷村と》  《割書:云地(いふち)に善仲寺(せんちゆうじ)と号(がう)する禅林(ぜんりん)あり其(その)寺境(じきやう)には中(なか)筑後守(ちくごのかみ)が居城(きよじやう)の地(ち)なりしと|いひて古(ふる)き石塔(せきたふ)あり碑面(ひめん)に無寂大(むじやくたい)応永(おうえい)六月十六と二行に彫付(ほりつけ)たれども以下(いか)の》  《割書:文字(もんじ)は磨滅(まめつ)して読(よみ)得(う)べからず又 同(おな)しく傍(かたはら)に其(その)家臣(かしん)の碑(ひ)と称(しよう)するもの|ありて花庭(くわてい)大師(たいし)康正(かうしやう)三年と彫付(ほりつけ)てあり尤(もつとも)不審(ふしん)とすべし》  百八灯(ひやくはつとう)供養(くやうの)古碑(こひ) 《割書:高(たか)さ三尺七寸ばかり巾(はゞ)一尺一寸 余(よ)の青石(あをいし)にして碑面(ひめん)|に三尊(さんそん)の種字および真言(しんごん)を刻(こく)し左右(さいう)に孫子彦子》  《割書:一結衆等 敬白(けいびやく)文安(ぶんあん)二年乙丑十月とあり寺僧(じそう)は資信(すけのぶ)菩提(ぼだい)のために其(その)氏族(やから)の|輩(ともがら)の建(たつ)る所なりといへどもいまだ考(かんが)へず》 【左丁】 阿蘇(あそ)明神(みやうじん)祠 西蔵院(さいさうゐん)より西南(にしみなみ)の方三丁 計(はかり)にあり同所 本山派(ほんさんはの)修験(しゆげん)  万蔵院(まんさうゐん)奉祀(ほうし)の宮(みや)なり《割書:万蔵院(まんさうゐん)も中(なか)筑後守(ちくごのかみ)の後裔(こうえい)|権大僧都(ごんだいそうづ)源海(げんかい)法印(ほふゐん)の中興(ちゆうこう)たり》当社(たうしや)は中(なか)筑後守(ちくごのかみ)の  産土神(うぶすな)なりと云伝(いひつた)ふ当社(たうしや)梁牌(りやうはい)の文(もん)に曰(いはく)    永正元甲子年  奉造立阿蘇大明神本殿成就所    七月大吉祥日  別当本山修験万蔵院  同牌後面   天下泰平国土安全氏子繁《割書:此下文字読|得べからず》 野火留(のひとめ) 河越(かはこえ)街道(かいたう)の立場(たてば)にして膝折駅(ひざをりのえき)より一里(いちり)あまり西(にし)の方(かた)に  あり大和田(おわた)の駅(えき)へも一里(いちり)斗(ばかり)ありて間(あひ)の宿(しゆく)なり  伊勢物語 昔(むかし)男(をとこ)ありけりひとのむすめを盗(ぬすみ)てむさし野(の)へゐて       いく程に盗人(ぬすひと)ありけれは国(くに)の守(かみ)にからめられけりをむなをは       草(くさ)むらの中にかくしおきてにけにけり道(みち)ゆく人此野は盗人       あなりとて火つけんとすれはをむなわひて    武蔵野はけふはなやきそ若草の妻もこもれり吾もこもれり     とよめるを聞てをむなをはとりてともにゐていにけり  回国雑記 此あたりに野火とめの塚と云塚ありけふはなやきそと       詠せしによりて烽火たちまちにやけとまりけるとなむそれ