翻刻
【右丁】
二見将監殿
【旗指物の図、旗内の文字】
ハタハ此モンノ上三ツヒキリヤウ
アルヘシマクニハ二ノクロカヘルヘシ
《割書:按(あんする)に相州(さうしう)鎌倉(かまくら)松(まつ)か岡(をか)過去帳(くわこちやう)に天文(てんぶん)七年十月七日 生実(おひみ)御所(ごしよ)左兵衛督(さひやうゑのかみ)義明(よしあきら)八正院(はつしやうゐん)|空善(くうせん)道哲(たうてつ)と注(ちゆう)したり空哲(くうてつ)の二字(にじ)を分(わけ)て空善(くうせん)道哲(たうてつ)とせし欤(か)然(しか)らばこの古文書(こもんしよ)は》
《割書:義明(よしあきら)より二見(ふたみ)将監(しやうげん)へ給ひしものなるべし花押(くわあふ)をもて考(かんが)ふるに義(よし)の字(じ)の如(ごと)されど|義明(よしあきら)花押(くわあふ)数続(すうぞく)花押(くわあふ)数古押(すうこあふ)等(とう)の書(しよ)にもこれを漏(もら)せる故(ゆゑ)に考(かんが)ふる》
《割書:所(ところ)なし猶(なほ)他日(たじつ)訂正(ていしやう)すべきのみ|》
箱(はこ)の池(いけ) 箱根崎(はこねづさき)の駅舎(えきしや)の西北(にしきた)数百歩(すひやくほ)にあり《割書:此地(このち)は八王子(はちわうじ)より野州(やしう)日光山(につくわうさん)|への通路(つうろ)にして六七月の間(あひだ)は》
《割書:奥羽(あうう)等(とう)の国々(くに〳〵)より相州(さうしう)大山(おほやま)へ登(のぼ)らんとする輩(ともがら)過半(くわはん)此(こゝ)に出(いづ)る故(ゆゑ)に其頃(そのころ)は往来(わうらい)頗(すこぶ)る多(おほ)し|箱根(はこね)権現(ごんげん)を以下っもつてこ鎮守(ちんしゆ)とする 故(ゆゑ)箱根(はこね)が崎(さき)と称(しよう)したるか或(あるひ)は箱根崎(はこねかさき)と号(がう)する故(ゆゑ)なり此(この)》
【左丁】
《割書:御神(おんかみ)を勧請(くわんじやう)せしや|今(いま)知(しる)べからず》古(いにしへ)は池(いけ)の周回(めぐり)