翻刻
【右丁 絵図】
光円寺(くわうえんし)
六阿弥陀(ろくあみた)
元木(もとき)薬師(やくし)
如来(によらい)安置(あんち)
あり
地蔵
本堂
【左丁】
法器(はふき)豪英(かうゑい)にして道徳(だうとく)は終古(しうこ)に隆盛(さかりさかん)にして声(こゑ)は宇宙(うちゆう)に高(たか)しと
謂(いつ)つべし緇門(しもん)の柱礎(ちうそ)浄家(じやうけ)の棟幹(とうかん)なるものなりと《割書:以上 了誉(れうよ)|上人 伝(てん)の》
《割書:要(えう)を|摘(つ)む》
当寺(たうじ)は浄土宗流(じやうどしうりう)の一 派(は)にして所化(しよくゑ)学道(かくだう)の談林(だんりん)なり学業(かくぎやう)を
勤(つと)むる輩(ともがら)聚蛍(しゆけい)映雪(えいせつ)の功(こう)を積(つむ)て眼(め)経論(きやうろん)の面(おもて)にさらし五重(ごぢう)
相伝(さうでん)の窓(まど)の前(まへ)には五念(ごねん)修行(しゆぎやう)の悉地(しつち)を求(もと)め三心(さんしん)具足(ぐそく)の床(ゆか)のうへ
には住(しゆう)不退転(ふたいてん)の法義(ほふぎ)を期(ご)す
中台山(ちゆうたいさん)光円寺(くわうえむじ) 医王院(ゐわうゐん)と号(がう)す伝通院(でんつうゐん)の西二町あまり久保町(くほちやう)と
云にあり浄業(じやうごう)の精舎(しやうじや)にして伝通院(でんつうゐん)の開山(かいさん)了誉(れうよ)上人 当寺(たうじ)を
興復(こうふく)あり《割書:上古(しやうこ)の開山(かいさん)は行基(ぎやうぎ)大士(だいし)とす了誉(れうよ)|上人の時(とき)浄宗(しやうしう)に更(あらため)たるならん》本尊(ほんそん)阿弥陀(あみた)如来(によらい)の像(ざう)恵心(ゑしん)
僧都(そうづ)の作(さく)なり《割書:当寺(たうじ)を中台山(ちゆうたいさん)と号(がう)するは此地(このち)旧(いにしへ)|中台(なかのだい)村と云(いひ)しによる由(よし)縁起(えんき)にみえたり》
本木(もとき)薬師(やくし)如来(によらい) 同寺(おなじてら)に安(あん)す本尊(ほんそん)は行基(ぎやうぎ)菩薩(ぼさつ)の作(さく)にして一尺の
立像(りふざう)なり慈母(じぼ)薬師女(やくしぢよ)の御影(みえい)を模(うつ)し給ふ故(ゆゑ)に女体(によたい)なりといふ