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コレクション: 学校教材発掘プロジェクト 5 江戸名所図会

江戸名所図会 20巻 巻之13 - 翻刻

江戸名所図会 20巻 巻之13 - ページ 77

ページ: 77

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【右丁】  弘安(こうあん)三年庚辰に至(いた)り竟(つひ)に志願(しぐわん)の如(ごと)く当寺(たうじ)を創建(さうけん)す上人  日向師(にちかうし)をして開山(かいさん)たらしめ時光(ときみつ)自(みづから)相継(あひつぎ)て当寺(たうじ)に住(ぢゆう)す《割書:日徳(にちとく)上人|これなり》 渋川(しぶかは)左衛門佐(さゑもんのすけ)義行(よしゆき)居城(きよじやうの)旧趾(きうし) 蕨(わらび)の駅舎(えきしや)の辺(あたり)にいてるべしとおぼし  けれども今(いま)其地(そのち)さだかならず  《割書:鎌倉(かまくら)大草紙(おほさうしに)曰(いはく)長禄(ちやうろく)元年六月廿三日渋川(しぶかは)左衛門佐(さゑもんのすけ)義鏡(よしあきら)を大将(たいしやう)として武蔵国(むさしのくに)へ|被指下(さしくださる)是(これ)は公方(くはう)の近親(きんしん)にて代々(よゝ)九州(きうしう)探題(たんだい)の家(いへ)なれば諸家(しよけ)も重(おも)き事におもひ》  《割書:けるうへ祖父(そふ)左衛門佐(さゑもんのすけ)義行(よしゆき)は久(ひさ)しく武蔵(むさし)の国司(こくし)にてあり足立郡(あたちこほり)に蕨(わらび)といふ所()ところ|を取立(とりたて)居城(きよじやう)にして今(いま)に至(いた)る迄(まで)此所(このところ)を知行(ちぎやう)しけれは旁(かた〳〵)此(この)仁(にん)可然(しかるべし)とて義鏡(よしあきら)を探題(たんだい)》  《割書:にしたまひ御 下知(げぢ)を通(つう)し武州(ぶしう)上州(じやうしう)の兵(へう)ともに申聞(もふしきか)せ成氏(なりうぢ)を退治(たいぢ)して上杉(うへすぎ)を|管領(くわんれい)とし関東(くわんとう)を可治(をさむへき)趣(おもむき)を触(ふれ)わたす云々》 調(つきの)神社(しんしや) 浦和(うらわ)の駅(えき)より三町 計(ばかり)此方(こなた)岸村(きしむら)と云(いふ)にあり社(やしろ)は街道(かいだう)より  右(みぎ)に立(たゝ)せ給ふ今(いま)世(よ)に月読宮(つきよみのみや)二十三夜と称(しよう)せり別当(べつたう)は月山寺(ぐわつさんじ)  と号(がう)して浦和町(うらわまち)の玉蔵院(ぎよくさうゐん)より兼帯(けんたい)す《割書:新義(しんぎの)真言宗(しんごんしう)|三宝院宮(さんぼうゐんのみや)に属(ぞく)す》例祭(れいさい)は九月  廿日なり社(やしろ)の向拝(かうはい)に掲(かく)る調神社(つきのしんしや)の額(がく)は松平(まつたいら)信定(のふさた)朝臣(あそん)の筆跡(ひつせき)なり  祭神(さいしん)月読命(つきよみのみこと)一坐 本地(ほんぢ)勢至(せいし)菩薩(ぼさつ)《割書:此(この)本地仏(ほんぢぶつ)によりて|廿三夜の称(しよう)あり》  《割書:延喜式神名記曰  武蔵国足立郡調神社云々|武蔵国風土記曰  足立郡大調郡調神社神田六》 【左丁】   《割書:十束二字田雅日本根子彦大日天皇乙酉三月|祭処瀬織津比咩也有神戸部巫戸云云》  社記(しやきに)曰(いはく)当社(たうしや)は崇神(しゆしん)天皇(てんわう)の勅願(ちよくぐわん)なり後(のち)建武(けんむ)三年 足利(あしかゝ)尊氏(たかうぢ)  凶徒(けうと)追罰(つゐばつ)の宿願(しよくぐわん)ありけるが霊応(れいおう)むなしからず仍(よつ)て社(やしろ)を造営(ざうえい)  あつて延元(えんげん)二年二月五日 社領(しやりやう)の地(ち)五箇村(ごかむら)を附(ふ)せらる又 貞和(ぢやうわ)  観応(くわんおう)の間(あひだ)宮方(みやかた)蜂起(はうき)す此為(このため)に寺社(じしや)悉(こと〴〵)く廃亡(はいぼう)す依(よつ)て康暦(こうれき)  二年 佐々木(さゝき)近江守(あふみのかみ)源(みなもとの)持清(もちきよ)当社(たうしや)を経営し至徳(しとく)二年正月二  箇村(かむら)の地(ち)を附(ふ)したりといへども天正(てんしやう)十八年 小田原(をたはら)北条家(ほうでうけ)滅亡(めつぼう)の  時(とき)の戦(たゝか)ひに神宝(しんはう)も共(とも)に散失(さんしつ)し神領(しんりやう)も又(また)自(おのづか)ら廃(はい)せり然(しか)るに  御入国(ごにふこく)の頃(ころ)忝(かたぢけな)くも  神祖(しんそ) 当社(たうしや)の来由(らいゆ)を聞(きこ)しめされ改(あらため)て美田(びでん)山林(さんりん)等(とう)を封(ほう)せ  られ竟(つひ)に慶安(けいあん)二年 朱章(しゆしやう)を下(くだ)し賜(たま)ふ 子安(こやす)清水(しみづ) 同所 長光山(ちやうくわうさん)妙典寺(みやうてんじ)にある所(ところ)の池(いけ)をいふ旱魃(かんはつ)にも涸(か)  れずといふ相伝(あひつた)ふ日蓮(にちれん)大士(たいし)此(この)池水(ちすい)をもつて安産(あんさん)の符(ふ)を書(かき)