翻刻
闢(ひら)くといへとも仲景 没(ほつ)して後(のち)道また
庸愚(やうぐ)の為(ため)に誤(あやま)り来ること遠(とふ)く大慨(おふむね)#1
病をすることを思はすして体(たい)を養ふ
ことをおもふて却而(かへつて)病を養ひ体(たい)
を損(そん)するに至るなけくべきの甚し
きにあらすや今 粤(こゝ)に《割書:予》か師 桜井(さくらい)
翁(おふ)医道(いどふ)之 真理(しんり)を観発(みひらい)て先賢(せんけん)も
《振り仮名:未_レ発|いまたはつせさる》の妙(めふ)理を極(きは)む是 実(しつ)に此道
の興隆(かふりゆう)する時を得たりと云へし雖(しかりと)
_レ然(いへとも)老翁(ろふおふ)無為(むい)にして世(よ)に発(はつ)せん事
をおもわす《割書:予》師に学(まなん)でより此道
の天下に公(おゝやけ)ならさるをなけく故(ゆへ)に
是を禿毫(とくこふ)に書して素心(そしん)の万一を
もつて普(あまね)く世上に施(ほとこ)すのみ蓋(けた)し