翻刻
鬼むすめはしやばへかへされいそきせんくわうじへ行て如来へ
さまたげせんと思へば 江戸おもてへかいてう【開帳】
に出給ふゆへ
よを日に
つぎ
江戸
両
ごく
ばしに
つきにける
こゝにてわう
らいのさんけい
をおどしかけて□□□りを
とめんとうかゞひける
折りふしはしのまはり
来かゝり橋の上を見れ
ばうしわかといふ身
にてらんかんに立たりける
てうちんにてきつと見ればおそろしき
むすめなりけるあり合かなぼうにてうちころ
さんとふり上しをたちまち引しやなぐり川の中へほかしけるこれ鬼にかなほうの
いわれ
なれ
此のち
はしばん
は
かなぼう
をやめて
六尺ぼうに
しける
とぞ
【立て札の文字その1】
伊勢朝熊嶽
福満虚空大菩薩
霊仏霊宝等
来亥四月朔日ゟ五月晦日迄於本所回向院
境内令開帳者也
戌 ̄ノ三月 金剛澄寺
執事
此方ゟ法□□□…に申候
【立て札の文字その2】
開帳
日蓮大菩薩
其外霊宝
去来亥三月四日ゟ
同四□□□□
【以下省略】
【立て札その3】
来亥三月十日
廿日迄
万巻
新はん■■
【以下省略】
【看板】
大かはやき
すく 付めしあり
【本文、大きな立て札の下】
それより両国中を夜にまぎれてあるきける
にかいてうのふだばにてらいねんのくわいてう札
を見てこゝろよき人間ともかなおしつけのこ
らずおれがゑじきにしてしまふにばか
なやつら
だと
から〳〵と
わらひ
けり
これを
らいね
ん
こと
は
おにがわらふ
と
いゝつたへり
【以下は読めない部分もあるが、鬼娘の尻をつねっている男に関連する部分】
これを
おにとのしやれ
といふべきか
おもひおいどをちよつとつねりけりふりかへるを
〽ちよこなめずきの
おとこうす月夜■
うつくしきちごか□
見てきをうしなふ
又
鬼も
十六とは
此ときのこと也
【おいど:尻のこと】
【おにと:不詳。おいどにかかる洒落になっているはず】
【ちよこなめずき?:不詳】