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【右】
るものにして之(これ)を清潔(せいけつ)にする方法又之(しかた またこれ)を飲(の)むときの芯(こゝろ)
得方(えかた)は實(じつ)に今日肝要(こんにちかんよう)の事項(ことがら)なり然(しか)れば良(よか)からぬ飲水(のみみづ)は
甚(はなは)た危(あやふ)きものにして極悪性(ごくあくせい)の疾(やまひ)も僅(わつ)か一杯(いつはい)の水(みづ)より起(おこ)
るものなれば其害(そのがい)は不潔(ふけつ)の空気(くうき)にも劣(おと)らぬものと心得(こゝろえ)
べし然(しか)して飲水(のみみづ)を清潔(せいけつ)にする方法(しかた)は前(まへ)に述(の)べたる空気(くうき)
を清潔(せいけつ)にする方法(しかた)と大抵同(たいていおな)じことなり尤取分(もっともとりわ)けて左(さ)の
條件(でふけん)に注意(ちゆうい)すべし
[一]市中或(しちうあるひ)は村内(そんない)を通(とを)れる河水或(かわみづあるひ)は渠水(ほりみづ)は一度沙濾(いちどすなごし)にす
るか又(また)は煑沸(にたゝ)せたる後(のち)に非(あら)ざれば之(これ)を飲(の)むべからず但(たゞ)
し縦令外見(ととへぐわいけん)は清潔(せいけつ)なるものにても能々用心(よく〳〵ようじん)すべし
[二]河水(かはみづ)を用(もち)ひずして井水(いどみづ)を用(もち)ふる場所(ばしよ)は其井(そのいど)の位置(ありば)に
注意(ちゆうい)し便所(べんじよ)を離(はな)るゝ遠近及(ゑんきんおよ)び便器(べんき)の製造堅固(せいざうけんご)にして其(その)
【左】
中(なか)の汚汁(しる)を漏(も)らす憂(うれい)なきや否(いなや)を吟味(ぎんみ)すべし土中(とちう)に案外(あんぐわい)
に容易(ようい)なるものなり畏(おそ)るべく慎(つゝし)むべし
[三]井(いど)は近傍(ちかく)の溝下水(みぞげすい)より其汚水(そのわるみづ)を滲透(あしみとふ)さゞる様平常(やう へいぜい)に
注意(ちゆうい)すべし故(ゆへ)に下水(げすい)を通(とを)すには成(な)る丈(た)け井(いど)より遠(とほ)くす
べし又成(またな)るべく魚類等(ぎよるいなど)を井戸端(いどばた)にて料理(れふり)せぬ様(やう)するが
宜(よろ)し是(これ)は魚類(ぎよるい)の洗汁野菜(あrあいしるやさい)の切屑(きりくず)など腐(くさ)れて自然(しぜん)に其土(そのど)
中(ちう)に滲込(しみこ)み井水(いどみづ)を汚(けが)すが故(ゆへ)なり
[四]井(いど)は時々之(とき〳〵これ)を汲(く)み干(ほ)して十分(じふぶん)に浚(さら)ひ浄(きよ)め井闌(いどがわ)の木材(きしつ)
朽腐(くちくさ)るときは速(すみやか)に修繕(しゆふく)を加(くは)ふべし資財(かね)ある人(ひと)は煉瓦或(れんぐわあるひ)
は「セメント」を用(もち)ひて井闌(いどがわ)を築(きづ)くを良(よし)とす一時(いちじ)は高價(たかね)の
様(やう)なれども長(なが)き月日(つきひ)を経(ふ)れば却(かへて)て大(おほい)に經濟(けいざい)になるもの