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コレクション: コレクション3

九死の一生 - 翻刻

九死の一生 - ページ 15

ページ: 15

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【右】  [三]凡(すべ)て食物飲水(しよくもつのみみづ)は前條(ぜんでふ)の如(ごと)く能々用心注意(よく〳〵ようじんちゆうい)し殊(こと)に飲水(のみみづ)  は必(かなら)ず一旦沙濾(いつたんすなこし)にし煑沸(にたゝ)して後飲(のちの)むべし  [四]両便所(りやうべんじよ)の掃除(さうじ)や下水溜(げすいため)の斟取等(くみとりとう)に能々注意(よく〳〵ちゆうい)して些(すこし)も  其汗汁(そのしる)の漏(も)らぬ様(やう)に心附(こゝろづけ)べし  [五]各人止(ひと〳〵や)むを得(え)ざる事(こと)にあらざれば無益(むえき)に虎列刺病者(これらびやうしや)  に直接(ちかづ)き及(およ)び病者(びやうしや)ある家(いへ)に立入(たちい)るべからず且(か)つ成(な)るべ  く妄(みだり)に他家(よそ)の便所(べんじよ)に上(あが)らざる様注意(やうちゆうい)すべし  [六]各人常(ひと〳〵つね)に「フラネル」或(あるひ)は紋派織(もんぼおり)腹帯(はらおび)を巻(ま)き夜中(やちう)も成(な)  るべく之(これ)を解(と)くべからず炎暑(あつさ)の時(とき)に裸體又(はだかまた)は雨戸(あまと)も開(あ)  け放(はな)ちて眠(にむ)るべからず晝夜温度(ちうやおんど)の不同(ふどう)に感(かん)ずるときは  劇(はげ)しき下痢症(げりしやう)を起(おこ)すことあり慎(つゝし)むべし  [七]下痢(げり)の兆(きざし)あるときは決(けつ)して生物又(なまものまた)は消化(せうくわ)あしき物(もの)を 【左】  食(くら)ふべからず粥或(かゆあるひ)は葛湯等(くずゆなど)を用(もち)ふるを良(よし)とす少(すこ)しでも  下痢(げり)を發(はつ)するときは速(すみやか)に醫師(いしや)を頼(たの)みて療治(れうじ)すべし  右(みぎ)の如(ごと)く注意用心(ちゆういようじん)するの後尚(のちな)ほ若(も)し虎列刺病其人家(これらびやうそのじんか)に  侵(おか)し入(い)りたるときは取敢(とりあ)へず醫師(いしや)を招(まね)き先(ま)づ建康(けんこう)なる  人(ひと)を引分(ひきわ)け看病人(かんびやうにん)の外(ほか)は病人(びやうにん)に近(ちか)づかしむべからず其(その)  吐下(はきくだ)したるもの又(また)は之(これ)に汚穢(よご)れたるものは決(けつ)して之(これ)を  便所(べんじよ)、往來(わうらい)、下水(げすい)、芥溜(ごもため)、田圃(たはた)、溝川(みぞかは)、等(とう)に棄(す)つべからず一(ひと)たび之(これ)  を等閑(なほざり)にするときは一人(いちにん)の不注意(ふちゆうい)より數千萬人(すせんまんにん)を殺(ころ)す  に至(いた)るものにて是(こ)れ豫防中(よぼうちう)の第一(だいいち)に肝要(かんよう)とする所(ところ)なり  現(げん)に昨年(さくねん)も虎列刺病者(これらびやうしや)の汚穢物(よごれもの)を川上(かはかみ)に投棄(なげす)て又(また)は洗(せん)  濯(たく)したる為(た)め直(すぐ)に其川下(そのかはしも)に住居(すまゐ)せる村々(むら〳〵)に傅布(ひろが)り或(あるひ)は  病毒(ひやうどく)に觸(ふ)れたる衣服敷物等(きものしきものなど)を消毒(せうどく)せずして再(ふたゝ)び用(もち)ひ又(また)