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コレクション: コレクション3

九死の一生 - 翻刻

九死の一生 - ページ 5

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【右】 如何(いか)なるか方法(しかた)を施(ほどこ)しなば果(はた)して能(よ)く其目的(そのもくてき)を達(たつ)するこ とを得(う)べきは此等(これら)の事項(ことがら)を十分(じふぶん)に工夫研究(くふうけんきう)するは今日(こんにち) 吾人(われ〳〵)の最大切(もつともたいせつ)なる本文義務(ほんぶんぎむ)と謂(い)ふべし [問(とひ)]此(こ)の虎列刺病(これらびやう)は一旦發病(いつたんはつびやう)したる上(うへ)は如何(いか)なる名醫(めゐい)にて も中々救濟(なか〳〵きうせい)の力及(ちからをよ)ばず十に八九は治(なほ)らぬものなりと云(い)ふ は實(じつ)の事(こと)なるや  [答(こたへ)]實(じつ)に左様(さやう)なりされども其發病(そのはつびやう)せざる前(まへ)に豫防(よばう)の事(こと)に力(ちから)  を盡(つく)して充分(じうぶん)に用心(ようじん)するときは必(かなら)ず其傳染(そのでんせん)を防(ふせ)ぎ止(と)む  ることをも得(う)るものなれば豫防(よばう)より外(ほか)に虎列刺病(これらびやう)の災(さい)  害(がい)を免(の)がるべきものなし然(しか)るを一般(いつぱん)の人々(ひと〴〵)は此(こ)の兇悪(きやうあく)  なる虎列刺病(これらびやう)を防(ふせ)ぐの手段(てだて)に尤(もつと)も疎(うと)く且(か)つ甚(はなは)だ拙(つたな)くし  て如何(いか)なる方法(しかた)のあるやらん一向(いつかう)に解(げ)さゞるものゝ多(おほ) 【左】 きは悲(かなし)むべく憂(うれ)ふべきことなりそれに就(つけ)ても茲(こゝ)に一言(ひとこと)  述置度(のべおきたき)ことあり近来世間(きんらいせけん)に賣藥奴數多(ばいやくしあまた)ありて或(あるひ)は豫防(よばう)  の匂袋(にほひぶくろ)と云(い)ひ或(あるひ)は治病(ぢびやう)の服藥(ふくやく)と稱(せう)し或(あるひ)は何丹或(なにたんあるひ)は何散(なにさん)  と種々無料(しゆ〳〵むりやう)の効能書(こうのうしよ)を附(つけ)て一般(いつぱん)の人民(じんみん)に衒賣(てらひうり)し人民多(じんみんおほ)  くは之(これ)を信用(しんよう)して其最恐(そのもつともおそ)るべき虎列刺病(これらびやう)をも亦専(またもつぱ)ら其(それ)  等(ら)の賣藥(ばいやく)を以(もつ)て豫防救濟(よばうきうせい)し得(う)べき者(もの)と思(おも)ひ込(こ)み為(た)めに  肝心大切(かんじんたいせつ)なる眞(しん)の豫防法(よはうはう)は恬(てん)として等閑(なほざり)にするもの甚(はなは)  だ多(おほ)きを見(み)る是(これ)と云(い)ふも畢竟(ひつきやう)は人々(ひと〴〵)の醫藥(いやく)の事(こと)に暗(くら)く  して一般賣藥(いつぱんばいやく)の何物(なにもの)たるを知(し)らざるより生(せう)ずる敝害(へいがい)と  はなふものゝ吾人今日民間(われひとこんにちみんかん)の衛生(ゑいせい)に注意(ちやうい)して大(おほい)に豫防(よばう)  の方法(しかた)を擴張(くわうちやう)せんとするときは勉(つと)めて人民(じんみん)の迷露(めいろ)を啓(けい)  發(はつ)して眞路(しんろ)の方針(ほうしん)を指示(さししめし)せずんばあらざるなり