翻刻
四季(しき)の献立(こんだて)調味(てうみ)の仕方(しかた)も略(りやく)してするは審安(いとやす)し
松魚(かつを)の代(かは)りにさうだあり山葵(わさび)の所(ところ)も生姜(しやうが)で
済(すま)す鱛(ゑぞ)なくば鯛(たい)にても苦(くる)しからずと書(かき)たるも
可笑(をかし)けれ所(ところ)かはらば品(しな)変(かは)れど其(その)おほよそを会(ゑ)
得(とく)して間(ま)にあひ料理(れうり)の包丁(はうてう)で手際(てぎは)のよいが亦(また)
一トしほお客(きやく)の饗応(もてなし)のみならす花看(はなみ)の弁当(べんたう)
雛(ひな)の重詰(ぢうづめ)忽(たちま)ち出来(でき)る調味(てうみ)の口伝(くでん)追々(おひ〳〵)出板仕候
間/御(ご)笑覧(せうらん)の程(ほど)奉希上候としか云
《割書:間合|調理》即席(そくせき)包丁(はうてう) 春夏之分
本膳(ほんぜん)鱠(なます)之(の)部(ぶ)
春(はる)《割書:けんきんかん| あさひぼう| たつくり極せん| 《割書:にんじん|大こん》しらが| 海部(かいぶ)のり| くりしやうが》 《割書:けんぼうふう| うすつくりひらめ| みる貝(かひ)せん| しらがうど| 岩(いわ)たけ| くりしやうが》 《割書:けん一/夜(や)しほ| うすつくりたい| せんあかがひ| わかしそ| しらが黒(くろ)ぐわへ| ふくめしやうが》 《割書:けん同| さより細(ほそ)つくり| さきたら| めうがたけせん| 生(なま)わかめせん| くりしやうが》
夏(なつ)《割書:けんぼうふう| あぢつくり身| 白くらげ| はすいもせん| いわたけ| はりくり》 《割書:けん同| かれいうすつくり身| 紅(べに)くらげせん| きくらげせん| たけのこ| きむかはせん》 《割書:けん同| すぶきやへ作(つく)り| まきたいらぎ| かいぶのり| めうがのこせん| わさび極せん》 《割書:けん同| たいつくり身| ほそつくりあゆ| しらがうり| しそせん| たでせん》