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コレクション: コレクション1

BnF. Département des manuscrits. Smith-Lesouëf Japonais 141 - 翻刻

BnF. Département des manuscrits. Smith-Lesouëf Japonais 141 - ページ 8

ページ: 8

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春の初のけさう文【①】その売声をきゝてさへよならす吉事 ありといへりまして此文をもとめて見る人は其年のやくを はらひ開運はんしやう【繁昌】家内和順の守と成へしまた 女子は此文を求てひめ置給へは愛敬の守と成て宜敷縁を 結ひ給ふへしとく〳〵求てよき幸を得玉ふへし 大平の御代に出たるけさうふみ 【左の枠内】 鳥も【りヵ】鳴あつまのそらのあかつきにほふ 初日もいとのとやかにたるい【注②】の氷もふとけ てそよはる風の音つくるにはこす【小簾】の外【と】【注⑨】こ もる梅か薫け【気:匂い】も得ならぬ【注⑩】心地し侍る   春日野ゝ雪まかくれの初若な【注③】    つみて千とせのすへを契らん きのふまて冬こもりしてなには津のうたも けふなむくちひるをひらきそめ【初め】ぬれは天下 なへてのはるよとももいわひせつくもうくひ すの声をもろともに君か八千代をしたひ 参らせつゝ七草のかす〳〵をおもふこゝろは ふしのねにふりつむゆきのたゆるとき なくむさしのゝ霞のかきりを知らされは まさきのかつら【注④】長くちきりてむといのり ぬるをあさ沢水【注⑤】のあさ〳〵と【注⑥】思し給はて とくかへりこと【注⑦】をまつ【松】たてる門に鶴亀の よはひをそへてまうさせ給へかしく   む月けふ よつのとき【注⑧】さかえ   八束穂の   させ給ふ君へ        よね雅ゟ       まいる 【注① 懸想文=江戸時代、正月の元日から一五日の間に京都の町などで売られたおふだ。洗い米二、三粒を包んだ紙、または花の枝につけた紙に、恋文に似せて縁談、商売、寿命などの縁起を祝う文が書いてある。】 【注② 垂氷=つらら】 【注③ 初若菜=初めて摘み取った若菜】 【注④ 「かづら」は蔓草の総称。「まさき(柾)の蔓」は「ていかかずら」または「つるまさき」の異名。ここでは「長く」を導く序詞】 【注⑤ 浅沢水=川の浅瀬。ここでは「あさあさ」を導く序詞。】 【注⑥ あっさりとして軽いさま。】 【注⑦ 返答.返書。返歌など。】 【注⑧ 春夏秋冬の四時】 【注⑨「こす(小簾)のと(外)=御簾の外。】 【注⑩ 得ならぬ=一通りでない。なみなみでなく優れている。】