翻刻
【紙面右端】
小信改二代 新町
貞信画 八尾善板
【本文】
大阪西大組拾一区新町通二丁目四十番地川口よしは元
倉橋屋(くらはしや)とて娼婦(ぢよろう) 芸妓(けいこ)の置屋(おきや)なりしが近年(きんねん) 遊女(ゆうじよ)
解放(ときはな)しの令(おふれ)ありしの際(きわ) 朝旨(てんしのおゝせ)を遵奉(したがひたてまつり)して数金(あまたのかね)
を出(いだ)してかゝへたる 多(おほ)くの女郎(こども)も各(おの〳〵) 其籍(そのせき)に
復(かへ)せしの後は活業(なりはい)を醤油商(しやうゆうや)と改めしも
天理(てんり)にや叶ひけん當三月廿五日古き土蔵を壊(こぼ)ち
たりしに宝字(ほうじ)小判其外 種(さま)〱の金貨(かね) 数百金(たくさん)
を得(ゑ)たり直(たゞ)ちに官庁(くわんちやう)へ訴(うつた)へければ
本人(ほんにん) 所持(しよじ)の地中より 掘出せしなれば
残(のこ)りなくたまわりしを當時(このごろの) 金貨(かね)に
交換(かへこと)せしかば千三百円余なりしとは
彼(かの) 支那(もろこし)の廿四孝 郭巨(くわつきよ)の釜(かま)にも
勝(まさ)るといふべし
あらかねの地(つち)より得(ゑ)てし金貨(かね)
なれど天(あめ)のめぐみと人のいふらん
猩々堂主人記 印
新聞図会 第
壹
号