翻刻
楽善堂三薬 岸田吟香製 謹製
補養丸(ほやうぐゎん)
精根(せいこん)を補(おぎ)なひ元気(げんき)を養(やし)なふの良薬(くすり)なり性質(うまれつき)の弱(よわ)き人または病後産後(びょうごさんご)の
肥立(ひだち)かねたるによし婦人(ふじん)ちのみちに妙(みやう)なり持薬(ぢやく)として常(つね)に用(もち)ゆれば
一生無病(いっせうむびょう)にて長命(ちょうめい)すること受(うけ)合なり
鎮溜飲(ちんりうゐん)
りうゐんの妙薬(みやうやく)なり胸膈(むなさき)を開(ひら)き脾胃(ひゐ)を健(すこや)かにし食物(しょくもつ)の
こなれを能(よく)し腹中(ふくちう)を調(とゝの)へ気力(きりょく)を益(ます)の功能(こうのう)あり食(くひ)
物(もの)あぢなく常(つね)にむか〳〵として胸(むな)ぐるしく
折々(をり〳〵)苦(にが)き水(みづ)を吐(は)きなどするに
用ゐて尤(もっと)も功(こう)あり
穏通丸(おんつうぐゎん)
つうじの御薬(くすり)なり胸(むね)つかへ腹(はら)はり食物(しょくもつ)
すゝまず何(なに)となく心(こゝ)地あしき時(とき)この御薬を用(もち)ゆれば
忽(たちま)ち毒(どく)を下(くだ)し逆上(のぼせ)を引 下(さ)げ腹中(ふくちゅう)を掃除(そうぢ)して
気 鬱(うつ)を開(ひら)き熱(ねつ)を醒(さま)すこと神の如(ごと)し
御目薬 精錡水
東京銀座二町目
本家 岸田吟香 謹白
彫銀
鮮斎
永濯