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新聞文庫・絵 - 翻刻

新聞文庫・絵 - ページ 22

ページ: 22

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勧善懲悪 官許 錦画新聞【「勧善懲悪」「錦画新聞」は横書き、「官許」は縦書き】 第八号  世の中に何をほり江の三丁目か きこと積る山川太助が女房せつはおのが名のせつ成る心に迫(せまり)て や去ル四月廿八日世を宇治川のほとりなるしるべの方へ尋(たづね)ゆき日 をふる雨に水かさ増(ま)す宇治の川づら打 咏(なが)め泡(はう)沫夢幻と仏も とく浮たる此世にいつ迄か何ながらへんと思ひ絶水の怜(あはれ)や宇治が わに身を投たるはいかなる故と誰白波に浮沈むを折よくも伏見 第四区なる堀口治助といふ人通りけり此体(このてい)【躰は体(體)の俗字】をみて打驚(うちをどろ)き 急に宇治川に踊入り流(なが)るゝ女を抱きとめ辛(かろ)うじて助け 挙(あぐ)るにはやこと切たれど鳩尾のあたり聊(いさゝ)かぬくみの有 をみて焚(たき)火をなして暖(あたゝ)めつゝさま〴〵と介抱(かいほう)するに未(いまだ) 寿命(いのち)やつきざりけん漸(やうや)くにして蘓生(いきかへり)したり 依(よ)りて其(その)住所を問(と)ひ早速京都府へ 届(とゞけ)しかば京都府より大阪府へ 御 掛合(かけあひ)ありて女は夫へ引 渡(わた)しになり堀口治介 は身捨(みをすて)て女を救(すく)ひ しを神妙なりとて 京都府にて御賞 詞有て金七拾五 銭賜りしとぞ   新聞局 《割書:本町四丁目|藤井時習舎》