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報知新聞
第五百五十一号
大蘇芳年
大坂(おほさか)舩越(ふなこし)町(まち)に骨接(ほねつき)を業(げふ)とする松本(まつもと)
あいと呼(よ)ぶ婦人(ふじん)あり年(とし)猶(なほ)廿六才なるが
日頃(ひごろ)より柔術(やわら)にも長(たけ)たりしが其(その)妍(かほ)よ
きを以(も)て人(ひと)其(その)勇(ゆう)を知(し)るものなし近(ちか)き
頃(ころ)隣(りん)家(か)の娘(むすめ)を連(つ)れて長柄(ながら)川(がは)の
堤(つゝみ)を過(よぎ)りしに川風(かはかぜ)寒(さむ)きかはたれ
時(とき)四人の荒男(あらをとこ)躍(をど)り出(い)でおあいと
隣(となり)の娘(むすめ)とを両人(りやうにん)づゝにて取(とり)おさへ
強淫(がういん)なさんと為(な)せしかばおあいは
大(おほい)に怒(いか)りつゝ組付(くみつい)たる一人を水中(すゐちう)
投(なげ)こみ又一人を撞(つき)こかし隣(となり)の娘(むすめ)を押(おし)
臥(ふせ)て上(うへ)へまたがる一人の領髪(ゑりがみ)とつて
捻倒(ねぢたを)し拳(こぶし)を堅(かた)めて一人の眼(まなこ)の辺(あたり)を
打(うち)ければ何(いづ)れも恐(おそ)れ逃散(にげちつ)たり
三遊亭圓朝誌