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新聞文庫・絵 - 翻刻

新聞文庫・絵 - ページ 32

ページ: 32

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大阪日々新聞 二百五十三号 紀州周参見村 浜田(はまだ)某の娘(むすめ)まつは 本年十九才心 潔(いさぎよ)き 性質(せいしつ)にて風の 柳のなよやかに あいてきらはぬ さゝめ言(ごと)国に有 てもつくまなべ【注①】 尻(しり)の早(はや)くも大阪の 今木新田某へ奉公 するより又直になんば村久三良方へ 仲人なしの夫婦中 一重(ひとへ)いまでは肌(はだ)さむしと重(かさね)る 妻の幾重(いくへ)とも数(かづ)さへ定(さだ)めぬ みそかお【注②】ばさながら売女(ばいぢよ)同やうの しまつに其こと発覚して久三良もうとみはて 追出さんと思へどもさばかりにてはあきたらずと 近辺の若もの六七人もかたらいて浜さきより 小舟にひそみまつを呼出(よびだ)しさそい入五六丁 もこぎ出し久三良をはじめとしまつを なぶりものにすまつは鬼がしまへもつれ ゆかれんと人こゝちもなかりしに豈(あに) はからんやおのがこのめる筋なれど 酒ずきも過(すご)せば二日よいのづゝう▲ ▲もちずきも 過(すご)せば食もたれ にてきのおもく ついに千島新田 葭(よし)の中へ 追あげられて夜をあかし わが身(み)をくやむは先にたゝず   柳桜記    婬【注③】婦まつ       彫福      川伝 【注① 滋賀県坂田郡米原町朝妻筑摩にある筑摩神社の祭礼に、女が関係した男の数だけかぶるという鍋。】 【注② 密男=「みそかおとこ」に同じ。密かに人の妻などのもとへ通う男。また夫のある妻がそのような男を持つこと。】 【注③ 「媱(ヨウ)」は「みめよい」の意で「婬(イン)」とは別字。媱と似ていることによる誤用。婬の意は「みだら」