疫病関連資料を翻刻!

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新聞文庫・絵 - 翻刻

新聞文庫・絵 - ページ 39

ページ: 39

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        小信改二代                  貞 信 画             冨士 政 梓                彫 九一 いつも新(しん)ふんと申せは情死盗賊密夫(しんぢうどろほうまおとこ) 欠落と美事(よいこと)は一ツも有ませぬゆへ作者も 心配いたしまして今日は珍(めつら)しい貞女を 出しました是は備中浅口郡の長尾村 小野亀吉の後家(ごけ)おはる今年二十と 八才なるか十六才に亀吉へ嫁(よめり)ましてから 子を明治二年に産(うみ)ましたが其時分から 亀吉は癩病(らいひよう)といふ難 症(せう)ゆへ日々腐(ひに〳〵くさ)るとも 心はくさらぬお春の貞実(ていじつ)乳呑子(ちのみこ)かゝへて 髪(かみ)を結ひわづかの賃(ちん)銭に細烟(ほそけふ)り操(みさほ)と 共(とも)に立(たつ)る身を不便(ふひん)に思ひ父母(ふたおや)は離別(りへつ)せ よとは進(すゝ)むれと道(みち)を守(まも)りてうけひかず 日を送りしか去年の秋 夫(おつと)亀吉死しければ 又もや再縁(さいゑん)すゝめても此幼子が夫(おつと)のかたみ此子に 家名(いへ)をつがせねは何面目に冥土のおつとに見ゆべしと 決(けつ)して得心(とくしん)せざるとは是(これ)そ心(こゝろ)の美人(びじん)なるべし           正情堂九化記  日々新聞