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新聞文庫・絵 - 翻刻

新聞文庫・絵 - ページ 44

ページ: 44

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          小信改二代   綿政板           貞 信 画                    彫九一 【本文】 東京(とうきやう)小石川原町に無禄(むろく)の士族(しぞく)鈴木定次郎 は兇盗(けうぞく)の為(ため)に殺害(せつがい)されし事実(ことのよし)といふは 明治八年 弥生(やよひ)の末(すへ)三十一日 午前(こぜん)四 時(じ)なる頃(ころ)なりて 花(はな)に嵐(あらし)のいた〳〵敷(し)く落散(おちゝ)り有(あり)し割魚刀(でばほうちよ)を 四大区 四等出仕(しとうしゆし)石川金造 命(めい)を蒙(かふむ)り是(これ)を取揚(とりあ)け つく〴〵詠(なが)め又 足跡(あしあと)の向(むかひ)しを慕(した)ひ鞭打如(むちうつごと)く 駒込(こまこめ)の片町富川与八が其日(そのひ)包丁(ほうちやう)を鬻(うり)しに手掛(てがゝり)りを もとめ定次郎が一子長之助と和(くわ)せざる より家分(いへをわけ)けたるに心附(こゝろつき)長之助を 招(まね)きし跡箪笥(あとたんす)を捜(さぐ)れば 定次郎の衣服(いふく)はたして出(いで)て 犯人(ざいにん)一子に事極(こときわま)り直(たゞち)に捕縛(ほばく) せられしは実(じつ)に天暴悪(てんぼうあく)を 示(しめ)すに早(はや)く良才(りようさい)の巡査出(じゆんさいで)しは 懼(おそる)べき事なりける           花源記 日々新聞 第七号