翻刻
諸国日々新聞集 明治八年【横書き】
夫人命を助(たすく)るは万善(ばんぜん)の
源にして孰(たれ)も勉(つとめ)たき事也 茂廣 川傳梓
茲(こゝ)に四月廿三日夜十一時頃
道頓堀清津橋ゟ入水せし
婦人有是は高津町みぞのかは田原(ほていや)と
云宿やに止宿(とまり)致せし駒(こま)といゝて
本年(ことし)卅四才也四年先に男
音五良に別(わか)れ色〻心 遣(つかひ)して
身を投(とう)せし物ならんか辺(ほと)りの
湯(ゆ)やの男 早速(じきに)飛(とび)こみ
巡査(じゆんさ)の御 指令(さしづ)にて引あげ
介抱なし命につゝがなかりしは
実(け)にたのもしき湯やの
男と御 誉(ほめ)をいたゞき
しは天晴(あつぱれ)なる
事とも也
〽みな底(そこ)の
どろによご
れし其身
をは洗(あら)ひあげたる
清津湯かな
柳櫻記