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新聞文庫・絵 - 翻刻

新聞文庫・絵 - ページ 66

ページ: 66

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明治八年 錦画 新聞 第三月の六日の夜。淀の小橋の          石 和 板 中程(なかほど)に。 男女(ふたり)の衣類(きもの)ぬぎ捨(すて)て 上(うへ)に壱封(いちふ)のかき置(おき)は。 情死(しんぢう)と見ゆ れど姿(すがた)は見へず。とふしたわけと ことのもと。 尋(たつね)て聞(き)けば西京の 上七軒(かみひちけん)の客舎(おちやや)なる 山浅内の若菜(わかな) とて。 顔艶(みめうつく)しき 倡婦(うかれめ)と。 添遂(そひとげ)る気(き)の遊男(たはれを)は 散財花(ちらすはな)さへ数千本(すせんぼん)。 通北(かよひきた) 野(の)にほど近(ちか)き。 笹井町にて 鳥店(とりや)ゆへ。 籠(かご)の鳥なる若菜とは。気も食鶏(あいのこ)の悪縁か 互(たが)ひに好(すき)と鋤鍋(すきなべ)で。身をこがしたるつゞまりの。 思案(しあん)も 今は煮(に)へつまり。せんかたなくも身を水に。 没(しつめ)て浮名流(うきななが)す とは。あさはかすぎる愚(おろか)さとの噂(うはさ)のまゝをこゝに画ス 身を水にさらすのみかは名(な)もさらし 行をさらしたことゝ言はれん       芳瀧誌