翻刻
明治八年
錦画 笹木
新聞 芳瀧画
武州高麗郡大谷澤村に
力(ちから)も人に壮男(ますらを)の名は大河内
清兵衛とて。 釖術(けんじつ)さへも
よはからず。すぐれて強(つよ)き気性にて。 或(あ)る時(とき)近村
よりの戻(もど)りしが。何かあやしき家内(うち)の様子。よく〳〵
聞(き)けは盗賊(どろぼう)ゆへ。 隣家(きんじよ)の木太刀借り来(きた)り。声も
ろともにかけつけつ。千変万化 手負(ておひ)ながらも
ついに賊(ぞく)をは捕縛(いけどり)ば同国(どうこく)入間郡越生村
田嶋惣兵衛といへる者にてありしとぞ
木だちから火花ちらせば土(ど)ろぼうの
金だせ〳〵も水になりけり
正情堂
九化誌 石 和 板