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新聞文庫・絵 - 翻刻

新聞文庫・絵 - ページ 75

ページ: 75

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東京日々新聞 七百三拾六号                        一蕙斎芳幾画 岸田(きしだ)吟香(きんかう)は新聞(しんぶん) 探訪(たんばう)の為(ため)。 陸軍(りくぐん) に従ひて台湾(たいわん)に在(あ) る事二ヶ月余。 諸蕃(しよばん)降伏(かうふく)の 後(のち)ある時(とき)牡丹(ぼたん)生蕃(せいばん)の地に遊歩(ゆうほ)し。 帰路(きろ)石門(せきもん)の渓流(こかは)を渉(わた)らんとて靴を 脱(ぬが)んとする折から。 土人(どじん)来(きた)りて 背(せ)に負(お)ふて越(こさ)んと云ふ。 吟香 辞(じ)すれども尚(なを)聴(きか)ざるゆゑ 渠(かれ)が背(そびら)に乗(のり)たりしに。 力(ちから)微(よわく)して立(たつ)こと能(あた) はず。 遂(つひ)に笑(わら)つて止(やみ) たりとぞ。 蓋(けだ)し 吟香は躯幹(からだ)肥大(ふとり)て。 重量(めかた)二十三貫目に余(あま)れり  吟翁が同社の硯友    轉々堂藍泉記