翻刻
東 吉備大臣 一蕙齋
芳幾
京 市川團十郎
印
日
々 芝新ぼりの戯場(げきじやう) 河原崎(かわらさき)【原本は嵜の異体字】 座(ざ)に
新 おいて吉備大臣(きびだひじん) 支那物語(しなものがたり)と題(だい)し
たる新狂言(しんきゃうげん)を取仕組(とりしく)めり 吾朝(わがてう)の
聞 吉備大臣 日唐の間に於て
云々の儀に付 唐(とう)の玄宗皇帝(げんそうこうてい)に
迫(せま)つて貢金(ちようきん)を出(いで)さしむ この場(ば)を演(ゑん)すか
の大臣に
九百十七号 扮するは雷名(らいめい)の市川團十郎なりと聞(き)けば色ゝの
能辨(のうべん)を以て 安禄山等との 議論(ぎろん) 妙(めう)なるべし
作者は有名の 河竹翁(かはたけおう)なれば定(さだめ)て興(きよう)ある事あらんと評せし