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新聞文庫・絵 - 翻刻

新聞文庫・絵 - ページ 81

ページ: 81

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東京日々新聞 九百廿六号 日向國(ひうがのくに)臼杵郡永井村にて先月 十三日明見社の祭礼ありしに 村の者ども集(あつま)りて例(れい)の村 芝居(しばゐ) を催(もやう)したるに狂言は則ち忠臣蔵 なりしが五段目に至りて此村の精蔵(せいざう)と 云ふ者かの定九郎に扮して舞台(ぶたい)に出て 彼(か)の久しぶりの五十両と云ふ件迄 首尾(しゆひ) よく行たれば今日の出来は精蔵兄の定九郎 なりと見物も誉(ほ)め居たりしに 勘平に扮したる男かねて所持 の猟銃(りやうじう)を持出しハタと火蓋を 切て落(おと)すや否や定九郎は弾丸(たま)に 打貫(うちぬ)かれてウンと仰(のつけ)に倒(たを)れたるまゝ即死し たりと勘平も相済ずとて腹を切りしや否や⧖ ⧖未た確報(かくほう)なし扨も村戯場(しばゐ) 可笑(おか)しき事も有るべし 此精蔵の如き猪打報ひもあるまじきに 実(ぢつ)に憫然(びんせん)の至りなりと人々 興(けう)を醒(さま)し たるべし