翻刻
東京日々新聞【横書き】九百六十四号
相州江の島弁才天女の廟は往古より七年ごとに開帳あること世人の能く知る所なり然るに当亥年
四月一日より五月二十日に至るまで五十日の間 臨時大祭(りんじたいさい)を行な
はるゝよし是に就(つい)て此島に住める一新
講(かう)社中有名なる■
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旅館(りよくわん)ゑ
びす屋は此頃 新(あら)たに三階の
高楼を築造したり其 結構(けつこう)は日
本風の立かたにして尤も間取りの
注意より諸式みな風雅(ふうか)を尽(つく)
せり此楼上より望(のぞ)めば三浦鎌
倉由井の浜の風景眼下
に集り冨士は
遥(はる)かに白く
箱根は△
△
近く翠(みどり)
なり
空(くう)気
清快にし
て健康(けんこう)を補(おぎ)なふべく殊(こと)
に海味に富て佳肴(かこう)乏しから
ず御参詣のお方はお上り有て御試
しなされ頃日この三階の楼上に
掛んと坂東彦三良中村芝翫
菊五郎左團次團十郎半四郎
等を始め俳優(はいゆう)十余人其外作者
留場抔にて名前を染め付け
たる暖簾(のれん)を拵らへ恵
日寿屋へ送らんと専ぱ 蕙齋
ら其用意 最(さい)中なりと云へり 芳幾
《割書:人形|町》 具足屋 渡辺彫栄