翻刻
【右丁】
用心有べきことなり
一 実(まこと)の麻疹(はしか)といふ標(めじるし)は病人の両(りやう)の耳(みゝ)の根(ね)よりつらなり
頚(くひ)頂(すじ)背脊(せなか)下(しも)は腰(こし)の間迄能々見るべし必ず三ツ四ツ或
は六ツ七ツの紅(こう)点(てん)有也此 紅(こう)点(てん)が即(すなわち)麻疹(はしか)の報標(しうせ)なり
前(ぜん)件(だん)の如き病ありても此紅点なきははしかにあらず
能々見定むべし又右の目印有てはしか出んとする時に
目を斜(なゝめ)にしてこれを見れば皮(かわ)膚(そこ)に陰(いん)々(〳〵)として有を
手を以てなでれば肌(き)肉(にく)の間にぶつ〳〵として疹瘡(ひぜん)の
如く其辺 丹(たん)の如し頭面に多きは順症としるべし
【左丁】
一麻疹近所迄来る沙汰
有ならば常よりも殊に
家内のそうじをよく
して清浄にすべし
又家内にてにほひあしき
ものを煮焼して食ふべ
からからず〇其時は家内むつ
ましく慈(じ)悲(ひ)心を発し
陰(いん)徳(とく)を心かくべし疱
瘡。麻疹。疫病。痢病。
等は清(しやう)浄(ぜう)潔(けつ)白(はく)にして陰
徳を心かくる家には重(おも)
きものなしといふ疑(うたが)ひなし