翻刻
はず口(くち)と口。怖(こわ)さながらも惚(ほれ)ぬいた。男(をとこ)に抱(いだ)きしめられて。忽地(たちまち)心(こゝろ)もあぢになり。舌(した)
を出(いだ)せばスパ〳〵と。吸(すは)れていとゞ快(こゝろ)よく。思(おも)はず上気(じやうき)のありさまに。吉光(よしみつ)は手(て)を伸(のば)し。徐々(そろ〳〵)
音勢(おとせ)が内股(うちもゝ)へ。さしいれ給へば内股(うちもゝ)を。少(すこ)し広(ひろ)げて猶(なほ)すり倚(よ)る。その可愛(かあい)さも愖(たえ)が
たく。まづ空割(そらわれ)よりだん〳〵と。心(こゝろ)静(しづ)かに撫(なで)まはし。指(ゆび)の腹(はら)にて玉門(ぎよくもん)を。探(さぐ)りてみればはや
じく〳〵と。吐婬(といん)に湿(しめ)る左右(さいう)の渕(ふち)。いと和(やは)らかき肌(はだ)ざはり。絹羽二重(きぬはぶたゑ)も何(なに)ならず。さればそろ〳〵
一本(いつぽん)の。指(ゆび)をさしいれ玉門(ぎよくもん)の。上下(うへした)左右(さいう)をゆるやかに。いぢり廻(まは)せは愖(たえ)ずやありけん音勢(おとせ)は
頻(しき)りに上気(じやうき)して。耳(みゝ)と頬(ほう)とを赤(あか)くなし。鼻(はな)少(すこ)しつまらせて。吾(われ)しらず腰(こし)を動(うご)かし
男(をとこ)に直(ひた)と抱(いだ)きつき。更(さら)に前後(せんご)も覚(おぼ)えぬ体(てい)。吉光(よしみつ)ははやたまらず。火(ひ)の如(ごと)く勃起(おゑ)た
る一物(いちもつ)あてがひてちよこ〳〵〳〵と。十度(とたび)ばかり腰(こし)をつかへば。その度毎(たひごと)に少(すこ)しツゝ。何時(いつ)の間(ま)にか
根元(ねもと)まで。しつくり這(はい)入れば内陝(うちせま)く。ぬきさしのたび雁首(かりくび)を。こすらるゝ心地(こゝち)よさ。
吉光(よしみつ)は舌(した)を伸(のば)し。音勢(おとせ)が口(くち)を甞(なめ)ながら。九浅一深(きうせんいつしん)の術(じゆつ)をつくし。突(つき)たつるほどに
その快(こゝろ)よさ。何(なん)に譬(たと)へむものもなく。音勢(おとせ)はたゞフウ〳〵〳〵と。目(め)をねぶり物(もの)もいはず