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コレクション: 春画資料

BnF. Département des manuscrits. Japonais 210 (3) - 翻刻

BnF. Département des manuscrits. Japonais 210 (3) - ページ 18

ページ: 18

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さした。こゝに居(を)るは音勢(おとせ)といふもの。其方(そち)達(たち)も心易(こゝろやす)う世話(せわ)をして遣(やつ)てくりやれ。 乗物(のりもの)まで宜気(ようき)が付(つい)た。折角(せつかく)の心(こゝろ)いれドレおれは駕(かご)に乗(のら)う。近(ちか)うよせいと仰(おふせ)の給た。 駕(かご)さしよすれば吉光(よしみつ)は。夫(それ)へひらりと乗(のり)給ふ。音勢(おとせ)はこれなる女子(をなご)どもの。容子(やうす)を見(み)るに側室(そばめ) なるべし。倘(もし)然(さ)もあらばこの身(み)をば。欝悒(いぶせき)ものになすらん。とおもへば己(おの)が心(こゝろ)から。何(なに)となう護身影(うしろめだ) くて。乱(みだ)れし髪(かみ)を搔(かき)あげなどしつ。果敢(はか〴〵)々々しくは物(もの)もいはず。幾瀬(いくせ)片貝(かたかい)桃代(もゝよ)等(ら)の。三人(みたり)は 夫(それ)と察(さつ)するから。なか〳〵快(こゝろよ)からねど重(おも)き君(きみ)の仰(おふせ)なるを。爭(いか)で疎略(そりやく)になすべきと。側(そば)へ 倚(よ)りて挨拶(あいさつ)し。いざわれ〳〵と連(つれ)だちて君(きみ)の御ン俱(とも)をし給へと。促(うなが)さるゝを僥倖(さいはひ)に。音勢(おとせ)は 頻(しき)りに言葉(ことば)を低(ひく)うし。三人(みたり)が跡(あと)に引副(ひきそふ)て。吉光(よしみつ)が駕(かご)に後(おく)れじと。喘々(あへぎ〳〵)行(ゆく)ほどに。生垣(いけがき)左右(さいう) に結(ゆひ)めぐらして。小(ちい)さき冠木門(かぶきもん)をたて。裡(うち)よりあまたの枝(えだ)うちかはせし。松(まつ)は緑(みどり)の色(いろ)をまし。 柳(やなぎ)桜(さくら)も折(をり)しり顔(がほ)に。さかりをみするその気色(けしき)。内(うち)ぞ床(ゆか)しきその在(あり)さまに。吉光(よしみつ)駕(かご)を駐(とゞ)め させ。しばし其(その)さまをうち視(み)やりて。こゝは誰(た)が住居(すまゐ)ぞや。と問(とは)せ給ふに日来(ひごろ)より。連哥(れんか)なシ どの御対身(おあいて)に。たび〳〵御前(ごぜん)へ召(めさ)れぬる。兎見傔仗(うさみけんぢやう)が家(いへ)なり。と聞(きこ)し召(めし)てたちまちに。心(こゝろ)の裡(うち)                                  下ノ三