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コレクション: 春画資料

BnF. Département des manuscrits. Japonais 210 (3) - 翻刻

BnF. Département des manuscrits. Japonais 210 (3) - ページ 19

ページ: 19

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におぼすやう。傔仗(けんぢやう)が女児(むすめ)小曽女(こそめ)といへるは。性質(うまれつき)孅弱(たをやか)にて。心の風流(みやび)も比(ならび)なし。と人(ひと)の噂(うはさ)に 聞(きい)たる事あり。僥倖(さいはひ)なれば立(たち)よりて。それをみばやと乗物(のりもの)の。戸(と)を引(ひき)あけて三人(みたり)を召(め)し。 〽こゝは兎見(うさみ)が宅(たく)とやら。おれは駕(かご)でよいけれど夕(ゆふべ)の雨(あめ)で路(みち)も濘(ぬか)り。歩行路(かちじ)は僉(みな)も大儀(たいぎ) であらうに。僥倖(さいはひ)傔仗(けんぢやう)は風雅(ふうが)な雄士(をとこ)。立(たち)よつて休息(きうそく)し。朝餉(あさげ)でも支度(したく)して。寛々(ゆる〳〵)館(やかた)へ 帰(かへ)らうほどに。其方(そち)たち先(まづ)前(さき)へ往(い)て。此事(このこと)を伝(つた)えよト仰(おほ)せによつて片貝(かたかひ)始(はじ)め。三人(みたり)は やをら門(もん)を入(い)り。しか〴〵のよし音信(おとなへ)ば。兎見(うさみ)は聞(きい)て思(おも)ひもかけぬ。こは有難(ありがた)き御来臨(ごらいりん)。さはれ 余(あま)りに早(はや)くして。いまだ掃除(さうじ)もゆきとゞかず。霎時(しばし)それにといひ捨(すて)て。頓(やが)て小奴(こもの)婢女(はしため)等(ら) を。いそがしたてゝ。遽(あはたゞ)しく。塵(ちり)うち払(はら)ひ御坐(ござ)を設(まう)け。いざ〳〵是(これ)へといふ間(ま)もなく。はや入(い)り 給ふ吉光公(よしみつぎみ)は。築山(つきやま)遣水(やりみづ)などいとをかしう。造(つく)り立(たて)たる庭(には)の面(おも)。かなた此方(こなた)と視(み)やり給ひ さて書院(しよゐん)へ通(とほ)り給へば。片貝(かたかひ)幾瀬(いくせ)桃代(もゝよ)音勢(おとせ)は。君(きみ)の左右(さいう)に坐(ざ)を卜(しむ)る。奥(おく)には傔仗(けんぢやう)衣服(いふく) を改(あらた)め。渾家(つま)の小弱木(こよろぎ)女児(むすめ)小曽女(こそめ)も。御 目見(めみへ)をさすべきに。髪(かみ)もかけあげ身(み)じまひも。早(はや) うせよと急立(せきたて)て。徐々(しづ〳〵)と御前(ごぜん)へ出(いで)。板椽(いたえん)の端(はし)に蹲(うづく)まり思(おも)ひかけずも来臨(らいりん)の。辱(かたじけ)なきよし