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コレクション: 春画資料

BnF. Département des manuscrits. Japonais 210 (3) - 翻刻

BnF. Département des manuscrits. Japonais 210 (3) - ページ 21

ページ: 21

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〽暴(にはか)のことにて行(ゆき)とゞかず。麁末(そまつ)ながらも御酒(みき)一献(いつこん)トいふを聞(きゝ)て傍(かた)へに侍(はべ)りし。片貝(かたかひ)はじめ 三人(みたり)の傍女(そばめ)。音勢(おとせ)もあとに引そふて。銚子(ちやうし)土器(かはらけ)を吉光(よしみつ)君(ぎみ)の。御 傍(そば)近(ちか)くへ進(すゝ)むれば 吉光(よしみつ)傔仗(けんぢやう)に会釈(ゑしやく)あり土器(かはらけ)をとりあげ給ふ。この折(おり)渾家(つま)の小弱木(こよろぎ)と小曽女(こそめ)は衣服(いふく) を更(あらた)めて。板椽(いたえん)の方よりする〳〵と。歩行(あゆみ)出(いづ)れば傔仗(けんぢやう)が〽すなはち是(これ)へ参(まゐ)りしは。妻(つま)小弱木(こよろぎ)と 小曽女(こそめ)にはべり。よき折(をり)を得(え)て御目見(おめみへ)を。いたすは渠等(かれら)が身(み)の僥倖(さいはひ)有がたうそんじまするト 演(のぶ)れば吉光(よしみつ)〽ヲゝ左様(さう)か。今いふ通(とほ)り遠慮(ゑんりよ)はない。サア〳〵近(ちか)うトあるにより小弱木(こよろぎ)小曽女(こそめ) もろともに。遥(はるか)末坐(ばつざ)にすゝみ倚(よ)る。かくて吉光(よしみつ)は御ン土器(かはらけ)を。先(まづ)傔仗(けんぢやう)に賜(たま)はりツゝいつの ほどにか御使(おつかひ)を。館(やかた)へ走(はし)らせ給ひけん。御 近習(きんじゆ)なる岩井蔀(いはゐしとみ)が。唐櫃(からひつ)二合(にがふ)舁(かき)になはせ 庭口(にはぐち)より進(すゝ)みいり。椽(えん)の端(はし)に手(て)をつかへて〽仰(おふせ)にまかせ品々(しな〳〵)を。舁(かき)齎(もたら)して参り候いかゞ 計(はか)らひまうさんトいへば吉光(よしみつ)うち笑(ゑ)み給ひ〽其処(そこ)へ出(だ)して並(なら)べいト仰(おふせ)に蔀(しとみ)は唐櫃(からひつ)の蓋(ふた) はね開(あけ)てとり出(だ)すは。黄金(こがね)作(づく)りの太刀(たち)一振(ひとふり)。巨勢(こせ)の金岡(かなをか)が絵(ゑ)まきもの。白銀(しろかね)五十枚(ごじふまい)台(だい)に 載(の)せ是(これ)は傔仗(けんぢやう)への御みやげ。また沈檀(ぢんだん)の寄木(よせき)にて造(つく)り役(まう)けし櫛(くし)の匣(はこ)。綾錦(あやにしき)の巻絹(まきぎぬ)