翻刻
ヅキン〳〵と勃起(おゑ)たちて。木(き)よりも堅(かた)く筋(すぢ)ばりしを。浅香(あさか)は無手(むて)と握(にぎ)りつめ。また亀頭(あたま)
より雁首(かりくび)の。あたりを撮(つま)み。または撫(なで)。余念(よねん)もあらぬ景勢(ありさま)に。佐栗(さぐり)も浅香(あさか)が内股(うちもゝ)へ。手(て)を
入(い)れてみれば吐淫(といん)の滑(ぬめ)り。する〳〵として手(て)もつけられず。さては十分(じふぶん)萌(きざ)したり。この斯(ご)を
外(はづ)さずしたゝかに。精(き)をやらして嬉(たのし)まんと。直(すぐ)さま横(よこ)におし転(こか)し。割(わり)こんで突(つき)いるれば。浅香(あさか)は
もはや夢中(むちう)になり。玉茎(へのこ)の亀頭(あたま)が子宮(こつぼ)の口(くち)へ。はやとゞくか届(とゞ)かぬに。アツレいゝとの大(おほ)
嬌(よが)り。グウ〳〵スウ〳〵鳴(なり)たつるは。実(げ)に猪(ゐのしゝ)が鼻(はな)あらしを。吹(ふき)たつるにも異(こと)ならず。佐栗(さぐり)もこ
れに浮(うか)されて。アゝわたしもそれいゝト互(たがひ)の嬌(よが)り坤軸(こんぢく)も。碎(くだ)くるばかりにみえにけり
第十一 丑(うし)の時(とき)詣(まうで)のまき
夜(よ)は深々(しん〳〵)と更(ふけ)わたり。艸木(くさき)も眠(ねぶ)る丑(うし)三(み)ツごろ。佐栗(さぐり)は時(とき)をとりちがへ。翌(あす)朝六(あけむ)ツには公(おおほやけ)の。
御用(こよう)あればと急(いそ)ぎ足(あし)。浅香(あさか)が家(いへ)を立(たち)いでゝ。俱(とも)をもつれずたゞ一人。小燈灯(こぢやうちん)をふり照(てら)して。
はやくも御所(こしよ)の門(もん)へ来(きた)り。きけば八(ヤ)ツ半(はん)ならんといふ。かくてはいまだ出仕(しゆつし)も早(はや)し。左様(さう)と知(し)
つたら今(いま)しばし。浅香(あさか)と抱(だか)れて寝(ね)たものを。悔(くや)しき事ををしてけりと後悔(こうくわい)しツゝ
下ノ八