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コレクション: 春画資料

BnF. Département des manuscrits. Japonais 210 (3) - 翻刻

BnF. Département des manuscrits. Japonais 210 (3) - ページ 33

ページ: 33

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ざゝめきわたる御殿(ごてん)の賑(にぎ)はひ。かくて御婚礼(ごこんれい)の式(しき)も形(かた)の如(ごと)く。済(すみ)ての後(のち)に当主(たうしゆ)捨若(すてわか)。また 後室(こうしつ)壽田(すだ)の方(かた)とも。御ン盞(さかづき)事(こと)のありけるに。吉光(よしみつ)これを臠(みそな)はせば。年(とし)こそ少(すこ)し闌(ふけ)かたなれ。天(てん) 然(ねん)の姿色(ししよく)嬌嬈(たをやか)にて。錦(にしき)に包(つゝ)む玉(たま)ならずば。桃(もゝ)と桜(さくら)を一樹(ひとき)に咲(さか)せて。ながむる心地(こゝち)の せられければ暫(しばら)くは目(め)も離(はな)さず。その俤(おもかげ)に見蕩(みとれ)給ふ。壽田(すだ)の方(かた)も予(かね)てより。聞(きゝ)は及(およ)べと 吉光(よしみつ)君(ぎみ)が。御ン容貌(かほばせ)より立(たち)ふるまひ。優(ゆう)にやさしき御ンけはひ。光(ひか)る源氏(げんじ)も斯(かく)までにはと思(おも) ふ斗(ばか)りの御ンよそほひに。忽地(たちまち)心(こゝろ)悸(ときめ)きて。手(て)に持(もち)給ふ盞(さかづき)と。同(おな)じ色(いろ)にぞ赧(あから)むる。顔(かほ)を反(そむ)けて 坐(ざ)した給ふ。さま〳〵の御規式(ごぎしき)には。春(はる)の日(ひ)も闌安(たけやす)くして。はやくも初夜(しよや)の過(すぎ)ぬるほどに。頓(やが)て姫君(ひめぎみ) の御寝所(ぎよしんじよ)には。綾(あや)の褥(しとね)錦(にしき)の横(よぎ)。善(ぜん)をつくし美(び)をつくし。待受(まちうけ)給へば吉光(よしみつ)君(ぎみ)も御ン床着(とこぎ) を召換(めしかへ)られ。御寝間(おまま)へ入(い)らせ給ひけるに。明石姫(あかしひめ)は女中(ぢよちう)たちが。噂(うはさ)したる如(ごと)くにて。年(とし)に似(に)げなく 少(ちひ)さうて。御心(みこゝろ)さへもをさなければ。刀祢(との)の入(い)らせ給ひしを。恥(はづ)かしと思(おも)ふ気色(けしき)もなく。燈台(とうだい)の下(もと)に 人形(にんきやう)など。とり広(ひろ)げて居(ゐ)給ふほどに。吉光(よしみつ)は是(これ)を見(み)て。余(あま)りに稚過(をさなすぎ)ぬれど。却(かへつ)て可愛(かあい)き所(ところ)も ありと。側(そば)に居寄(ゐよつ)てこの人形(にんぎやう)は。格別(かくべつ)に秘蔵(ひさう)とみゆれど。室町(むろまち)へ来(き)給はんには。是(これ)にも倍(まし)たる